
「子どもが3人いる家庭や多子家庭なら、住宅ローンはいくらまでなら大丈夫?」
家を買おうと考えたとき、多くの方が気になるのがこの問題ではないでしょうか。
年収から住宅ローンの借入可能額を計算すること自体は、それほど難しくありません。
でも、実際に3人の子どもを育てていると感じます。
本当に知りたいのは「いくら借りられるか」ではなく、「いくらなら家族の生活を守りながら返していけるか」ではないでしょうか。
わが家には、小学生2人と未就学児1人の3人の子どもがいます。
今はまだ教育費がピークという時期ではありませんが、これから中学・高校・大学と進むにつれて、子どもにかかるお金が増えていくことは容易に想像できます。
食費も増える。
洋服も必要になる。
習い事や学校関連のお金もかかる。
家族5人で出かければ、レジャー費もそれなりにかかります。
車も家族構成に合ったサイズが必要になります。
そして住宅ローンは、これから何十年も続いていきます。
一方で、住宅ローンを返すことだけを優先して、今の家族との時間や将来の資産形成を犠牲にするのも違うと思っています。
この記事では、小学生2人・未就学児1人を育てる3児の父であり、宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・2級ファイナンシャル・プランニング技能士でもある「きつね」が、
「子ども3人家庭なら住宅ローンをどう考えればいいのか」
について、単なる借入可能額ではなく、子育て・教育費・資産形成・家の資産価値まで含めて考えてみます。
住宅ローンの「借りられる額」と「返せる額」は違う

家探しをしていると、どうしても気になるのが、
「自分はいくらまで住宅ローンを借りられるのか?」
ということです。
もちろん、借入可能額を知ることは大切です。
ただし、ここで覚えておきたいのが、
銀行が貸してくれる金額=わが家が安心して返せる金額
ではないということです。
住宅ローンの審査では、年収や他の借入状況、返済負担率などをもとに融資可能額が判断されます。
でも、銀行は、
「子どもを大学まで行かせたい」
「年に1回くらい家族旅行に行きたい」
「数年後には車を買い替えたい」
「NISAでの積立も続けたい」
といった、それぞれの家庭が大切にしていることまで考えて住宅ローンの金額を決めてくれるわけではありません。
だからこそ、住宅ローンを考えるときは、
「いくら借りられるか」ではなく、「返しながら何を残せるか」
を見る必要があります。
これが「家と資産」で住宅購入を考えるときの基本スタンスです。
住宅ローンを考えるときは、毎月の返済額だけでなく、3人分の教育費や将来の資産形成まで含めて考えることが大切です。
わが家でも「住宅ローンを返しながら、教育費をどう準備し、NISAなどの資産形成をどう続けるか」をセットで考えています。
▶ 3人の子どもがいる家庭はいくら貯金すべき?教育費・住宅ローン・NISAをまとめて考えてみた
さらに、住宅ローン返済後に残るお金から、毎月いくらNISAへ回せるかを決める方法はこちらで解説しています。
▶ 子ども3人家庭、NISAはいくら積み立てる?教育費・住宅ローンから考える毎月の積立額
「銀行からいくら借りられるか」だけで判断するのはとても危険です。
教育費や手元資金、金利上昇、購入後の資産形成まで含めて、無理なく返せる住宅ローンはいくらなのかを考える必要があります。
▶ 住宅ローンはいくらまでなら無理なく返せる?年収だけで決めない5つのポイント
子どもが3人いると「住宅ローン以外のお金」が大きい

独身の頃や夫婦2人だった頃と比べると、子ども3人との生活は、いろいろなところでお金がかかります。
実際に3人を育てていて感じるのは、
一つひとつの支出が大きいというより、「いろいろな支出が重なってやってくる」ということです。
食費。
衣服。
習い事。
学校用品。
レジャー。
スマートフォン。
車。
そして教育費。
1つだけなら対応できても、これらが同時に重なると家計への負担は大きくなります。
特にわが家の場合、小学生が2人、未就学児が1人。
これから上の子たちの教育費が増えていく一方で、末っ子の成長にもまだまだお金がかかります。
そして3人いると、
長子の中学・高校・大学。
その後に次の子。
さらに末っ子。
というように、教育費が大きくなる期間が長く続く可能性があります。
だから私は、子どもが3人いる家庭ほど、
「今払える住宅ローン」ではなく、「10年後にも無理なく払える住宅ローン」
を考える必要があると思っています。
子ども3人家庭の住宅ローンはいくらまでなら安心?

では、具体的にいくらまでなら安心なのでしょうか。
「年収の○倍まで」
「返済負担率○%以内」
といった目安を見たことがある方も多いと思います。
もちろん、こうした数字は住宅購入を検討するうえで参考になります。
ただ、私は年収だけで住宅ローンの上限を決めるのは難しいと考えています。
例えば同じ年収800万円でも、
子どもがいない家庭と、子どもが3人いる家庭では家計が違います。
さらに、
- 共働きなのか
- 車が必要なのか
- 子どもの私立進学を考えているのか
- 現在の貯蓄はいくらあるのか
- NISAなどで資産形成しているのか
- 住宅購入後も投資を続けたいのか
- 親からの援助があるのか
によっても、無理なく返済できる金額は変わります。
だからこそ、
「年収○万円だから住宅ローン○万円まで」
と単純に決めるのではなく、家計全体を見る必要があります。
「返済負担率」だけで住宅ローンを決めない

住宅ローンについて調べていると、「返済負担率」という言葉をよく見かけます。
簡単にいうと、
年収に対して、年間のローン返済額がどのくらいを占めるのか
を見る指標です。
例えば、年収600万円で年間120万円を住宅ローン返済に充てるなら、単純計算では20%です。
住宅ローンを考えるうえで参考になる数字ですが、これだけで「安全」「危険」を判断することはできません。
例えば同じ20%でも、
年収600万円・子ども3人の家庭と、
年収1,000万円・夫婦2人の家庭では、
住宅ローンを支払った後に残る金額も、その後に必要になる生活費も違います。
そのため、返済負担率はあくまで一つの目安。
最終的には「住宅ローンを払ったあと、家計にいくら残るのか」を見ることが大切です。
住宅ローンを決める前に考えたい5つのお金

子育て世帯が家を買うなら、住宅価格を見る前に整理しておきたいお金があります。
1.毎月の生活費
まずは現在の生活費です。
食費、水道光熱費、通信費、保険料、日用品など、毎月必ず出ていくお金を把握します。
子どもが3人いる家庭では、今の金額だけでなく、子どもが成長したときに増える可能性も考えておきたいところです。
特に食費は、子どもの成長によって大きく変わる可能性があります。
わが家でも、小学生2人がこれから中学生・高校生になれば、今と同じ食費で済むとは考えていません。
住宅ローンは長期間続くからこそ、今の家計だけではなく、少し先の家計を見ることが大切です。
2.教育費
3児家庭にとって、住宅ローンと同じくらい考えておきたいのが教育費です。
公立中心なのか。
私立も選択肢に入れるのか。
大学進学をどう考えるのか。
自宅から通うのか、一人暮らしになる可能性があるのか。
進路によって必要なお金は大きく変わります。
わが家の場合は小学生2人と未就学児1人なので、これから3人分の教育費を長期間にわたって考える必要があります。
「大学のお金は大学生になってから考えよう」ではなく、住宅を購入するときから将来の支出として意識しておくことが大切だと思います。
3.車にかかるお金
地域や生活スタイルによっては、子育てと車を切り離せない家庭も多いと思います。
特に子どもが3人いると、家族5人が乗れる車が必要になります。
車両購入費だけではありません。
- 車検
- 自動車税
- 任意保険
- ガソリン
- タイヤ
- メンテナンス
- 駐車場
など、継続的にお金がかかります。
さらに、住宅ローンの返済期間は数十年。
その間に何度か車を買い替える可能性もあります。
住宅ローンを組むときは、今持っている車の支出だけでなく、将来の買い替えまで少し意識しておきたいところです。
4.住宅の維持費
家は買ったら終わりではありません。
例えば戸建てなら、
- 固定資産税
- 火災保険・地震保険
- 外壁
- 屋根
- 給湯器
- エアコン
- 水回り
など、住宅ローンとは別にお金が必要になります。
新築直後は大きな修繕がなくても、10年、15年、20年と住み続ければ、修理や交換が必要になる設備も増えていきます。
「毎月の住宅ローンを払えるから大丈夫」だけでは判断しないことが重要です。
住宅ローン以外にも、家を維持するためのお金がかかることを前提に考えておきたいところです。
5.将来の資産形成
そして「家と資産」で特に大切にしたいのが、資産形成です。
住宅ローンを返しながら、
将来のためのお金も残せるか。
NISAなどを使って資産形成をしている家庭なら、家を買った瞬間に積立をすべて止めなければならないような住宅予算には慎重になった方がいいと考えています。
もちろん、住宅購入直後に一時的に積立額を減らすことはあるでしょう。
大切なのは、
住宅ローンだけに家計を支配されないこと。
家も大切。
でも、将来の金融資産も大切です。
この2つをどう両立するかが「家と資産」の大きなテーマです。
子ども3人家庭では、現在の教育費だけでなく、大学進学などで支出が重なる時期まで見据えて住宅ローンを考える必要があります。
「頭金をたくさん入れれば安心」とも限らない
住宅を購入するとき、
「できるだけ頭金を入れて、住宅ローンを少なくした方がいい」
と考える方もいると思います。
確かに、借入額を減らせば毎月の返済額や支払利息を抑えることができます。
ただし、子育て世帯では手元に現金を残しておくことも重要です。
例えば、500万円の現金があるとします。
その500万円をすべて住宅購入に使う方法もあります。
一方で、一部を頭金にして、
- 生活防衛資金
- 教育費
- 住宅の修繕費
- 車の買い替え
- 資産形成
などのために現金を残しておく方法もあります。
特に子どもが3人いると、予定していなかった支出が発生することもあります。
そのため、
「住宅ローンを減らすこと」と「手元資金を残すこと」のバランス
を考える必要があります。
また、中古住宅を購入する場合は、物件価格や住宅ローンだけを見て予算を決めないことも大切です。
仲介手数料や登記費用、住宅ローン費用に加えて、購入後にはリフォームや設備交換などのお金がかかることもあります。
▶ 中古住宅を買うとき、物件価格以外にいくら必要?諸費用と購入後のお金を解説
頭金とNISAのどちらを優先するべきなのかについても、今後、具体的な数字を使って比較してみたいと思います。
住宅ローン4,000万円は高い?安い?
「住宅ローン4,000万円は借りすぎでしょうか?」
こうした疑問を持つ方も多いと思います。
でも結論からいえば、
4,000万円という借入額だけでは判断できません。
例えば同じ4,000万円でも、
35年間で返済するのか。
40年間で返済するのか。
金利が0.8%なのか。
2%なのか。
それだけでも毎月の返済額や総返済額は変わります。
さらに重要なのが、
住宅ローンを支払った後に毎月いくら残るのか。
です。
4,000万円借りても、教育費や資産形成に十分なお金を回せる家庭もあります。
反対に、借入額が3,000万円でも、毎月の家計にほとんど余裕が残らない家庭もあります。
「住宅ローン4,000万円は高いのか?」については、今後の記事で金利や返済期間を変えながら具体的にシミュレーションします。
家は「消費」なのか、それとも「資産」なのか
これは「家と資産」というサイト名にもつながる話です。
私は住宅を、
単なる住居費としてだけではなく、「家族が暮らす場所であり、資産でもある」
と考えています。
例えば、同じ4,000万円で購入した住宅でも、10年後、20年後の価値が同じとは限りません。
住宅の資産価値には、
- 駅からの距離
- 土地の価値
- 周辺環境
- 建物の状態
- 接道状況
- 駐車場
- 学区
- 災害リスク
- 地域の将来性
など、さまざまな要素が関係します。
だから私は、
「いくらまで住宅ローンを借りられるか」と同じくらい、「そのお金でどんな家を買うか」が重要
だと思っています。
4,000万円を借りること自体が問題なのではありません。
場合によっては、
4,000万円を使って、将来価値が残りにくい住宅を買うことの方が大きなリスクになる可能性もあります。
「中古戸建ては築何年までが狙い目なのか」
「どんな家なら10年後も売りやすいのか」
「土地と建物、どちらの価値を重視するべきなのか」
こうしたテーマも、「家と資産」で今後詳しく考えていきます。
住宅ローンの金額だけでなく、そのお金で「将来も売却を検討しやすい家」を選べるかも重要です。
立地・土地・建物・購入価格から中古住宅の将来の売りやすさを判断する方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶ 中古住宅は将来売れる?資産価値が下がりにくい家を見極める7つのポイント
子ども3人だからこそ「今の幸せ」も削りすぎたくない
ここからは、3児の父としての感覚です。
お金について真剣に考えれば考えるほど、
「もっと貯金した方がいい」
「もっと投資した方がいい」
「住宅費を下げた方がいい」
「無駄遣いを減らした方がいい」
という方向に行きがちです。
もちろん、どれも大切なことです。
でも、子どもと一緒に過ごせる時間には限りがあります。
家族で旅行に行く。
休みの日に遊びに行く。
一緒にご飯を食べる。
子どもがやってみたいことを応援する。
今しかできないことも、たくさんあります。
将来のお金を増やすことだけが、家族にとっての正解ではない。
私はそう考えています。
だから「家と資産」では、
「住宅ローンを極限まで減らす方法」
でも、
「資産を最速で1億円にする方法」
でもなく、
家族との今の生活を大切にしながら、将来のお金にも備える方法
を考えていきたいと思っています。
大切なのは「わが家にとってのちょうどいい」を探すこと
住宅ローンについて調べていると、
「年収の○倍まで」
「返済負担率○%以内」
「頭金○割」
など、分かりやすい数字がたくさん出てきます。
もちろん参考になります。
でも最後に決めるべきなのは、
自分たちの家庭にとって、その住宅費が本当にちょうどいいのか。
ではないでしょうか。
子どもが何人いるのか。
どんな教育を受けさせたいのか。
どんな家に住みたいのか。
どんな休日を過ごしたいのか。
どのくらい資産を作りたいのか。
何を大切にして暮らしたいのか。
答えは家庭によって違います。
だからこそ、他の家庭の「住宅ローン○万円」をそのまま自分の家庭に当てはめる必要はありません。
わが家にとっての「ちょうどいい家」と「ちょうどいい住宅ローン」を探す。
それが一番大切だと思います。
まとめ|「いくら借りられる?」から一歩先へ

子ども3人家庭の住宅ローンを考えるなら、「借りられる金額」だけで判断しないことが大切です。
住宅ローンを考えるときは、
住宅ローン
↓
毎月の生活費
↓
教育費
↓
車などの大型支出
↓
住宅の維持費
↓
将来の資産形成
↓
家族がやりたいこと
まで考えてみる。
ここまで整理すると、
「わが家はいくらの家なら無理なく買えるのか」
が少しずつ見えてきます。
住宅ローンの審査に通ることがゴールではありません。
家を買ったあとも、家族が楽しく暮らせること。
そして、
子どもを育てながら、少しずつ資産もつくっていくこと。
それが「家と資産」で考えていきたいテーマです。
これから、
- 住宅ローンの具体的な返済額
- 住宅ローン4,000万円の家計への影響
- 頭金とNISAのどちらを優先するか
- 中古住宅の選び方
- 家のリセール価値
- 3人分の教育費
- 子育てしながらの資産形成
などについて、実体験とデータを交えながら一つずつ掘り下げていきます。
家を買う。
子どもを育てる。
資産をつくる。
その3つを無理なく両立する方法を、一緒に考えていければと思います。


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