中古住宅を購入するとき、今の暮らしやすさだけでなく「この家は将来売れるだろうか」と気になる方もいると思います。
マイホームは、長く住むことを前提に購入する方が多いでしょう。
それでも、転勤、親の介護、子どもの独立、働き方の変化などにより、住み替えが必要になる可能性はあります。
そのとき、家がなかなか売れなかったり、売却価格より住宅ローン残高の方が多かったりすると、家族の次の選択肢が狭くなってしまいます。
先に、この記事の結論をお伝えします。
将来の売却価格を正確に予測することはできません。ただし、立地・土地の条件・災害リスク・間取り・建物状態・維持管理・購入価格を確認すれば、「売りにくくなる要因」を減らすことはできます。
将来高く売ることだけを優先して、今の家族が暮らしにくい家を選ぶ必要はありません。
大切なのは、次の3つのバランスです。
- 今の家族が暮らしやすい
- 教育費や資産形成を続けながら住宅費を払える
- 将来、ほかの人も購入を検討しやすい
この記事では、中古住宅を購入するときから考えておきたい「将来の売りやすさ」を、3児パパ・宅建士の視点で整理します。
※本記事は一般的な判断材料を示すもので、将来の売却価格や売却の成立を保証するものではありません。不動産の評価は、地域の需給、市況、物件の個別条件などによって変わります。
中古住宅のリセールバリューとは?
リセールバリューとは、購入した住宅を将来売却するときに、どの程度の価値が残っているかという考え方です。
不動産では、購入価格に対して売却価格がどのくらい残ったかを、次のように表すことがあります。
リセールバリュー=将来の売却価格÷購入価格×100
例えば、3,000万円で購入した住宅を将来2,400万円で売却できた場合、単純計算ではリセールバリューは80%です。
ただし、実際の家計では売却価格だけを見ても十分ではありません。
売却価格だけでなく住宅ローン残高を見る
住宅を売却するときは、売却代金から住宅ローンを完済するのが一般的です。
そのため、家計に残る金額は、おおむね次のように考えます。
売却価格-住宅ローン残高-売却にかかる費用
家が比較的高く売れても、住宅ローンが多く残っていれば、住み替えに使える資金は少なくなります。
反対に、売却価格が購入価格より下がっていても、住宅ローン残高が十分に減っていれば、売却しやすい場合があります。
「いくらで売れそうか」と「その時点でローンがいくら残るか」は、セットで確認する必要があります。
「値上がりする家」より「売れにくくなる要因が少ない家」
10年後、20年後の不動産相場を正確に予測することはできません。
そこで、子育て世帯が中古住宅を購入するときは、値上がりする物件を当てようとするより、次のような家を選ぶ方が現実的です。
- 将来も一定の住宅需要が見込める
- 多くの世帯が使いやすい
- 土地や建物の状態を説明しやすい
- 適正な価格なら購入を検討する人がいる
- 売却するときに大きな法的・物理的問題が起こりにくい
つまり、リセールを考えるとは、必ず値上がりする家を探すことではありません。
家族の状況が変わったときに、売却という選択肢を残せる家を探すことです。
中古住宅の資産価値は「土地」と「建物」に分けて考える
中古戸建ての価格は、大きく土地と建物に分けて考えると整理しやすくなります。
土地の価値を左右するもの
土地は建物のように経年劣化するものではありませんが、どの土地でも価値が維持されるわけではありません。
主に次のような条件が関係します。
- 駅やバス停からの距離
- 通勤・通学の利便性
- スーパー、学校、病院などの周辺施設
- 地域の人口や住宅需要
- 土地の広さや形
- 道路との接し方
- 建築や用途に関する制限
- 災害リスク
建物を解体しても土地は残るため、将来の売りやすさを考えるうえでは、土地の条件が重要です。
建物の価値は築年数だけでは決まらない
中古住宅を見るとき、「木造住宅は築20年を過ぎると価値がない」といった説明を見かけることがあります。
しかし、築年数だけで建物の状態や使用価値を判断することはできません。
同じ築年数でも、次の条件によって建物の状態は変わります。
- 耐震性
- 雨漏りやシロアリ被害の有無
- 屋根や外壁の修繕状況
- 給排水管や設備の状態
- 断熱・省エネ性能
- 増改築の内容
- 日頃の点検と維持管理
国土交通省も、既存住宅は新築時の品質・性能に加えて、その後の維持管理や経年劣化により、物件ごとの品質に差が生じると説明しています。
▶ 国土交通省|既存住宅流通と建物状況調査(インスペクション)
築年数を確認することは大切ですが、築年数だけで買う・買わないを決めず、土地と建物の状態を分けて考えましょう。
▶ 中古住宅は築何年までなら買って大丈夫?築年数より大切な5つのチェックポイント
将来売りやすい中古住宅を見極める7つのポイント
ここからは、中古住宅を購入するときに確認したい7つのポイントを具体的に説明します。
1.将来も住宅需要が見込める立地か
最初に確認したいのは、建物ではなく立地です。
建物や設備は交換できますが、家を購入した後で場所を変えることはできません。
現在の便利さだけで判断しない
立地を確認するときは、次のような項目を見ます。
- 駅やバス停からの距離
- 通勤・通学のしやすさ
- スーパーやドラッグストアへの距離
- 学校や保育施設への距離
- 病院や公共施設の利用しやすさ
- 幹線道路や高速道路へのアクセス
- 周辺の中古住宅の取引状況
- 自治体の人口動向やまちづくり計画
駅から近ければ必ず売れるわけではありません。
車を使う地域では、駅距離よりも駐車台数や道路への出やすさが重視される場合もあります。
大切なのは、自分たちだけでなく「この地域で家を探す人が何を重視するか」を考えることです。
周辺に売買事例があるか確認する
近隣で同じような中古戸建てが取引されていれば、将来の需要を考える参考になります。
一方、売り物件が長期間残っている、空き家が多い、人口減少が急速に進んでいるといった地域では、売却に時間がかかる可能性があります。
もちろん、現在の取引状況が将来も続くとは限りません。
それでも、周辺相場や過去の取引を確認せずに購入するより、判断材料を増やすことができます。

2.接道・土地形状・再建築の条件に問題がないか
中古戸建てでは、建物の見た目だけでなく、土地がどのように道路へ接しているかを確認します。
接道状況を確認する
原則として、建物の敷地は建築基準法上の道路に一定以上接している必要があります。
ただし、道路の種類、接している長さ、敷地の状況などにより扱いが異なります。
購入前に確認したいのは、次の項目です。
- 接している道路の種類
- 道路の幅員
- 敷地が道路に接している長さ
- セットバックの必要性
- 私道の持分
- 私道の通行・掘削に関する条件
- 将来建て替えられるか
現在建物が建っているからといって、同じ規模の建物へ自由に建て替えられるとは限りません。
再建築できない、建て替えると建物を小さくする必要があるといった土地は、将来の購入希望者が限られる可能性があります。
土地の形・境界・越境も確認する
土地については、次の点も重要です。
- 正方形や長方形に近いか
- 旗竿地や不整形地ではないか
- 高低差や擁壁があるか
- 境界標があるか
- 隣地との境界が確認されているか
- 屋根、樹木、配管などの越境がないか
旗竿地や変形地だから、必ず避けるべきということではありません。
弱点がある分、価格が抑えられている、静かな環境を得られるなどの利点もあります。
重要なのは、デメリットを理解し、それが購入価格に反映されているかを確認することです。
3.災害リスクを把握して説明できるか
洪水、土砂災害、地震、液状化などの災害リスクは、家族の安全だけでなく、将来の売りやすさにも関係します。
確認したいのは、次の項目です。
- 洪水による想定浸水深
- 内水氾濫の可能性
- 土砂災害警戒区域
- 高潮・津波のリスク
- 地震時の揺れやすさ
- 液状化の可能性
- 過去の浸水履歴
- 避難場所と避難経路
国土地理院のハザードマップポータルサイトでは、住所から複数の災害リスクを重ねて確認できます。
ハザード区域なら売れないわけではない
ハザードマップで色が付いているからといって、その住宅が必ず被災するわけでも、売却できないわけでもありません。
反対に、色が付いていない場所が絶対に安全とも限りません。
確認したいのは、リスクがあるかないかの二択ではなく、次のような具体的な内容です。
- どの災害が想定されているか
- どの程度の被害が想定されるか
- 建物や敷地で対策できるか
- 避難できる場所があるか
- 火災保険・地震保険にどう影響するか
購入前に把握しておけば、家族として許容できるかを判断でき、将来売却するときにも説明しやすくなります。
4.多くの世帯が使いやすい間取りか
注文住宅のように個性的な間取りは、自分たちには使いやすくても、将来の買主が限られることがあります。
中古住宅の売りやすさを考えるなら、次のような視点も必要です。
- 家族人数に対して部屋数が極端に多い・少ない状態ではない
- 家具を置きやすい形になっている
- 収納が不足していない
- 家事動線が複雑すぎない
- 採光と風通しを確保しやすい
- 生活の変化に合わせて部屋の用途を変えられる
- 駐車台数が地域の需要に合っている
3人の子どもがいても5LDKが正解とは限らない
子どもが3人いると、一人一部屋を用意するために5LDKが必要だと考えがちです。
しかし、3人が同時に個室を必要とする期間は限られる可能性があります。
子どもの独立後に使わない部屋が増えれば、掃除、冷暖房、修繕の負担も残ります。
将来の買主にとっても、細かく区切られた個室が多い家より、必要に応じてつなげたり分けたりできる間取りの方が使いやすい場合があります。
今の家族に必要な部屋数と、将来ほかの家族も使いやすい柔軟性の両方を考えましょう。
▶ 子ども3人なら何LDK必要?5人家族の間取りと子ども部屋の考え方
子ども部屋の広さについては、こちらの記事で4.5畳・5畳・6畳を比較しています。
▶ 子ども部屋は何畳必要?4.5畳・6畳で足りる?3児パパが考える広さと間取り
5.建物の状態と基本性能を確認する
将来売りやすい家を選ぶには、購入時点の建物状態を把握することが大切です。
見た目がきれいでも、建物の基本部分に不具合がある可能性があります。
確認したい項目は、次のとおりです。
- 基礎や外壁のひび割れ
- 雨漏りの跡
- シロアリ被害や木部の腐食
- 床や柱の傾き
- 屋根・外壁の劣化
- 給排水管の状態
- 耐震性
- 断熱性
- 増築や間取り変更の履歴
- 違法な増改築がないか
内見とホームインスペクションは役割が違う
内見では、日当たり、動線、収納、周辺環境など、実際の暮らしを確認できます。
一方、ホームインスペクションは、一定の講習を修了した建築士などが、建物の基礎・外壁などの状態を目視や計測で確認するものです。
インスペクションを実施しても、将来の不具合をすべて予測できるわけではありません。また、壁の内部など確認できない場所もあります。
それでも、購入時点の状態を把握し、修繕計画を考える材料になります。
▶ 中古住宅のホームインスペクションは必要?費用・タイミング・注意点を宅建士が解説
内見時に自分で確認したい項目は、こちらの記事にまとめています。
▶ 中古住宅の内見で見るべきポイント15選|宅建士が教える後悔しないチェックリスト
6.修繕履歴と住宅の書類を残せるか
建物を適切に修繕しても、その記録がなければ、将来の買主へ状態を説明しにくくなります。
「問題なく住んできました」という口頭の説明だけでは、買主は修繕内容や建物状態を判断できません。
購入時に引き継ぎたい書類
- 建築確認済証・検査済証
- 設計図面
- 測量図・境界確認書
- 建築時の仕様書
- リフォーム・増改築の図面
- インスペクション報告書
- 住宅性能評価書
- 設備の保証書や取扱説明書
物件によって残っている書類は異なります。
書類がないから購入できないわけではありませんが、何が残っていて、何が確認できないのかを整理しましょう。
購入後に残したい記録
- 点検した日と結果
- 修繕した場所と時期
- 工事を依頼した会社
- 工事内容と金額
- 使用した部材や設備
- 保証期間
- 修繕前後の写真
国土交通省は、新築時の図面、建築確認関係書類、点検結果、リフォーム記録などを「住宅履歴情報」とし、維持管理や売買の際に活用できると説明しています。
住宅の状態を良く保つだけでなく、その事実を説明できる状態にすることが重要です。
▶ 中古住宅の修繕費はいくら?購入後にかかる費用と備え方を解説
7.購入時点で高く買いすぎていないか
資産価値が下がりにくい条件がそろっていても、相場より大幅に高く購入すれば、売却時の価格差が大きくなる可能性があります。
将来のリセールを考えるうえでは、いくらで売れるかだけでなく、いくらで買うかが重要です。
売出価格は成約価格ではない
不動産ポータルサイトに掲載されている価格は、基本的に売主が希望する売出価格です。
実際にその価格で成約するとは限りません。
購入を検討するときは、次の条件が近い取引事例を確認します。
- 同じ地域
- 土地面積
- 建物面積
- 築年数
- 最寄り駅と駅からの距離
- 道路・土地の条件
- 取引時期
- 建物の修繕・リフォーム状況
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、不動産の取引価格、地価公示、防災情報、都市計画情報、周辺施設情報などを確認できます。
ただし、個別物件の状態や細かな条件まですべて分かるわけではありません。
一つの事例だけで判断せず、複数の事例と現在の売出物件を比べましょう。
購入価格以外の費用も含める
中古住宅では、物件価格のほかにも次の費用がかかります。
- 仲介手数料
- 登記費用
- 住宅ローン関係費用
- 火災保険・地震保険
- 税金
- 引っ越し費用
- 購入直後の修繕費
- リフォーム費用
売却時に物件価格が大きく下がっていなくても、購入時と売却時の諸費用を含めると、家計上はマイナスになることがあります。
▶ 中古住宅を買うとき、物件価格以外にいくら必要?諸費用と購入後のお金を宅建士が解説
購入後に変えられる条件・変えにくい条件
中古住宅を比較するときは、「気に入らない部分があるか」だけでなく、「購入後に変えられるか」で優先順位を付けると整理しやすくなります。
| 変えるのが難しい条件 | 購入後に改善を検討できる条件 |
|---|---|
| 立地 | 壁紙や内装 |
| 駅からの距離 | キッチン・浴室などの設備 |
| 土地の形 | 収納の追加 |
| 接道状況 | 一部の間取り変更 |
| 周辺環境 | 断熱改修 |
| 災害リスク | 屋根・外壁の修繕 |
| 日当たりの基本条件 | 庭や外構 |
もちろん、右側の項目も費用や構造によっては簡単に変更できません。
それでも、立地や土地の形、道路条件と比べれば、購入後に改善できる可能性があります。
購入前は後から変えにくい条件を優先し、変えられる部分は必要な費用を確認して判断する。
この順番で考えると、見た目の新しさだけに左右されにくくなります。

中古住宅の相場と取引実績を調べる方法
将来の売りやすさを考えるには、購入時点の価格が周辺相場と大きくずれていないかを確認します。
1.不動産情報ライブラリで取引価格を調べる
国土交通省の不動産情報ライブラリを開き、物件がある地域の取引価格を検索します。
確認する項目は、次のとおりです。
- 取引時期
- 取引価格
- 土地面積
- 建物面積
- 築年
- 最寄り駅
- 駅からの距離
- 前面道路
条件が完全に一致する物件はほとんどありません。
できるだけ近い条件を複数件確認し、価格帯をつかむために使います。
2.現在の売出物件と比較する
次に、不動産ポータルサイトで現在販売されている物件を確認します。
過去の取引価格と現在の売出価格を比べることで、地域の価格感をつかみやすくなります。
ただし、掲載が終わった理由が「売れた」とは限りません。売出価格だけで成約価格を推測しないようにします。
3.不動産会社へ査定の根拠を聞く
不動産会社へ価格について相談するときは、提示された金額だけで判断せず、次の点を確認します。
- どの成約事例と比較したか
- 土地と建物をどう評価したか
- プラス・マイナス要因は何か
- どのような買主を想定しているか
- 売却に時間がかかりそうな点はあるか
複数社へ相談する場合も、最も高い査定額を選ぶのではなく、説明に根拠があるかを比べることが大切です。
高額なリフォームをすれば資産価値は上がる?
中古住宅を購入すると、「リフォームすれば将来高く売れるのでは」と考えることがあります。
しかし、リフォーム費用を売却価格ですべて回収できるとは限りません。
買主が同じ価値を感じるとは限らない
例えば、500万円かけて設備や内装を新しくしても、将来の売却価格が500万円上がるとは限りません。
売主にとって気に入ったデザインでも、買主は別の内装に変更したいと考える可能性があります。
高機能な設備も、時間がたてば古くなります。
リフォームは、売却価格を上げるためだけでなく、自分たちが快適に暮らすための支出として考えた方が現実的です。
見た目より建物を守る修繕を優先する
将来の売りやすさを考えるなら、次の順番で検討します。
- 雨漏りや腐食など、放置すると建物を傷める不具合
- 外壁・屋根・給排水などの基本部分
- 耐震性や安全性
- 日常生活に必要な設備
- 内装やデザインなど好みに関する部分
豪華に見せることより、建物を適切に維持し、修繕内容を記録することを優先しましょう。
住宅ローン残高と売却価格の関係も確認する
住宅を売却するとき、売却代金で住宅ローンを完済できない場合は、不足分を自己資金などで補う必要があります。
購入前に、次の時点のローン残高を確認しておきましょう。
- 5年後
- 10年後
- 20年後
金融機関の返済予定表やシミュレーションを使えば、おおよその残高を確認できます。
売却価格が下がったケースも考える
将来も購入時と同じ価格で売れる前提にすると、資金計画が楽観的になります。
例えば、次のような複数のケースを考えます。
- 購入価格と同程度で売れた場合
- 購入価格より20%下がった場合
- 購入価格より30%下がった場合
- 売却まで半年以上かかった場合
売却価格から住宅ローン残高と売却費用を引き、住み替えに必要な資金を残せるか確認します。
購入後も教育費、修繕費、生活防衛資金、資産形成は必要です。
「将来売れるはずだから」と住宅予算を上げるのではなく、売却価格が下がっても家計が崩れにくい借入額にすることが基本です。
▶ 住宅ローンはいくらまでなら無理なく返せる?年収だけで決めない5つの考え方【3児パパ宅建士・FPが解説】
3児家庭のきつね家ならどう考える?
ここからは一般的な評価方法ではなく、3人の子どもを育てながら中古住宅を購入した父親としての考えです。
子どもが3人いると、現在の暮らしを考えて、部屋数や広さを優先したくなります。
わが家も中古住宅を選ぶとき、子どもたちが暮らせる間取り、駐車スペース、周辺環境などを確認しました。
一方で、子どもたちが独立した後も、現在と同じ部屋数が必要とは限りません。
また、家を売る相手が同じ3児家庭とも限りません。
そこで、わが家では次のように考えます。
今の5人家族が暮らしやすく、将来は別の家族構成でも使い方を変えやすい家を選ぶ。
もちろん、将来の売却だけを優先して、現在の暮らしを我慢する必要はありません。
ただし、家の広さや設備に予算をかけすぎると、教育費や家族で過ごす経験、将来への資産形成に使えるお金が減ります。
売却益を狙うというより、家族の状況が変わったときに、住み続ける・売る・貸すといった選択肢を残しておく。そのためにリセールを考えるのが現実的だと思っています。
家は大切な生活の場所です。
同時に、家計の中で最も大きな資産と負債になることもあります。
今の暮らしやすさと将来の選択肢を、どちらか一方に決めずに考えていきたいところです。
将来売りやすい中古住宅のチェックリスト
中古住宅を購入するときは、次の項目を確認してみてください。
立地・地域需要
- □ 周辺で中古住宅の取引事例がある
- □ 通勤・通学や買い物に利用しやすい
- □ 地域で求められる駐車台数を確保できる
- □ 人口動向や自治体のまちづくり計画を確認した
土地・災害リスク
- □ 接道状況と道路の種類を確認した
- □ 将来建て替えられるか確認した
- □ 境界・越境・私道の条件を確認した
- □ 災害リスクと過去の被災履歴を確認した
建物・維持管理
- □ 建物の劣化状態を確認した
- □ 耐震性や増改築の履歴を確認した
- □ 必要に応じてインスペクションを検討した
- □ 図面や修繕履歴を引き継げる
- □ 購入後の修繕費を見込んでいる
価格・住宅ローン
- □ 周辺相場と比べて価格が高すぎない
- □ 購入時の諸費用と修繕費を含めて予算を決めた
- □ 10年後・20年後のローン残高を確認した
- □ 売却価格が下がったケースも試算した
すべての条件が完璧な住宅は、ほとんどありません。
大切なのは、弱点がない家を探し続けることではなく、その家の弱点を理解し、価格や暮らしやすさと釣り合っているかを判断することです。

中古住宅の資産価値についてよくある質問
築20年を超えた木造住宅には価値がありませんか?
築20年を超えたからといって、建物に価値がないとは一律に決められません。
築年数は価格に影響しますが、建物の状態、耐震性、性能、修繕履歴などによって評価は変わります。
購入するときは、土地と建物を分け、建物については今後使用できる状態か、どのような修繕が必要かを確認しましょう。
駅から近ければ必ず売れますか?
駅からの距離は重要な条件の一つですが、それだけで決まるわけではありません。
車を利用する地域では駐車台数や道路条件が重視されることもあります。土地の形、災害リスク、間取り、建物状態、価格、地域の需要などを総合的に判断します。
リフォーム済み中古住宅は売りやすいですか?
内装や設備がきれいな住宅は、購入希望者に好印象を与える可能性があります。
ただし、見た目だけでは建物内部の状態は分かりません。どこを、いつ、どのようにリフォームしたか、工事記録や保証が残っているかを確認しましょう。
旗竿地や変形地は買わない方がよいですか?
一律に避ける必要はありません。
価格が抑えられている、道路から離れて静かに暮らせるなどの利点もあります。
接道、建て替え、駐車、日当たり、工事のしやすさなどを確認し、弱点が価格に反映されているか判断します。
ハザードマップで色が付いている家は売れませんか?
色が付いているだけで売却できないわけではありません。
想定される災害の種類、浸水深、避難方法、建物の対策などを具体的に確認します。リスクを把握せず購入することの方が問題です。
一生住む予定でもリセールを考える必要がありますか?
必須ではありませんが、将来の選択肢を残すために考えておく価値はあります。
転勤、介護、相続、家族構成の変化など、購入時には予測できない事情で売却する可能性があるからです。
売却益を目的にするのではなく、必要になったときに売却を検討できる家かという視点で確認しましょう。
まとめ|中古住宅は「今の暮らし」と「将来の売りやすさ」で選ぶ
中古住宅の将来の売りやすさを考えるポイントをまとめます。
- 将来の売却価格を正確に予測することはできない
- 土地と建物の価値を分けて考える
- 後から変えにくい立地・接道・災害リスクを優先する
- 多くの世帯が使いやすい間取りを考える
- 建物状態と修繕履歴を確認する
- 周辺相場と比べて高く買いすぎない
- 売却価格だけでなく住宅ローン残高も確認する
マイホームは、利益だけを求める投資商品ではありません。
だからといって、将来の資産価値をまったく考えなくてよいわけでもありません。
家族の状況が変わったときに売却できる可能性を残しておくことは、家計と暮らしの選択肢を守ることにつながります。
今の暮らしやすさ。
無理のない住宅費。
将来の売りやすさ。
この3つを一緒に考えて、わが家に合った中古住宅を選びましょう。
家を買う。
子どもを育てる。
資産をつくる。
「家と資産」では、この3つを切り離さずに考えていきます。



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