「気に入った中古住宅が見つかった。でも、本当にこのまま契約して大丈夫?」
「重要事項説明や売買契約書は、どこを確認すればいい?」
中古住宅の購入が進み、いよいよ契約となると、楽しみな一方で不安も出てきます。
僕自身も3人の子どもを育てながら中古住宅を購入しましたが、契約前には建物の状態だけでなく、住宅ローンや修繕費、契約条件、引き渡し後の家計まで確認しました。
中古住宅は一軒ごとに建物の状態や土地の条件が違います。
さらに売買契約を結んだあとは、買主の都合だけで簡単に契約をなかったことにできるわけではありません。
だからこそ、**「契約する前に何を確認するか」**が大切です。
この記事では、宅建士・FP資格を持つ3児パパの「きつね」が、中古住宅の契約前に確認しておきたいポイントを10項目に整理します。
これから中古住宅を探し始める段階の方は、先に中古住宅購入の流れを7ステップで解説|物件探しから引き渡しまでを読むと、今回の記事が購入手続きのどの段階にあたるのか分かりやすくなります。
※この記事では一般的な中古住宅売買について解説しています。実際の契約条件や手続きは物件・売主・不動産会社・金融機関などによって異なります。不明点は契約前に宅地建物取引士や不動産会社などへ確認してください。
中古住宅は「契約する前」の確認が大切
中古住宅の購入では、気に入った物件が見つかったら購入申込みを行い、条件を調整したうえで重要事項説明・売買契約へ進むのが一般的です。
ここで覚えておきたいのが、
「購入申込み」と「売買契約」は同じではない
ということです。
売買契約を締結すると、売主・買主の双方に契約上の義務が生じます。
そのため、
「契約してから詳しく確認しよう」
ではなく、
「納得できるところまで確認してから契約する」
という順番を意識したいところです。
特に中古住宅では、建物だけでなく、
・土地
・周辺環境
・購入費用
・住宅ローン
・契約条件
・引き渡し条件
まで確認する必要があります。
そこで、僕が契約前に確認したいと考える項目を10個に整理しました。

- 建物の状態・劣化状況
- 修繕・リフォーム履歴
- ホームインスペクションの有無・結果
- 土地・境界・接道
- ハザードマップ・周辺環境
- 物件価格以外にかかるお金
- 住宅ローンの条件とローン特約
- 手付金・契約解除・違約金
- 契約不適合責任
- 引き渡し条件・付帯設備・残置物
それぞれ見ていきましょう。
① 建物の状態・劣化状況
まず確認したいのが、建物そのものの状態です。
中古住宅では、室内がきれいにリフォームされていても、外壁や屋根、基礎、設備などに修繕が必要な場合があります。
例えば、
・外壁のひび割れや塗装の劣化
・屋根の状態
・基礎のひび割れ
・雨漏りの形跡
・床の傾きや沈み
・水回りの状態
・給湯器やエアコンなどの年式
などを確認します。
内装の印象だけでなく、**「家としてどんな状態なのか」**を見ることが大切です。
内見時に確認したい項目については、中古住宅の内見で見るべきポイント15選|宅建士が教える後悔しないチェックリストで詳しくまとめています。
契約直前になって初めて気になる部分が出てきた場合も、「もうここまで進んだから」と流さず、契約前に確認しておきましょう。
② 修繕・リフォーム履歴
現在の状態だけでなく、これまでどのような修繕が行われてきたかも確認したいポイントです。
例えば、
・外壁塗装
・屋根修繕
・防水工事
・給湯器交換
・キッチンや浴室などの水回り
・シロアリ対策
などです。
同じ築20年の住宅でも、
「定期的にメンテナンスされてきた家」
と
「ほとんど修繕されていない家」
では、購入後に必要になる費用が変わる可能性があります。
ただし、修繕履歴があるから安心、履歴がないから危険、と単純に判断することはできません。
現在の状態と合わせて考えることが重要です。
中古住宅の修繕費については、中古住宅の修繕費はいくら?購入後にかかる費用と備え方を解説で詳しく解説しています。
③ ホームインスペクションの有無・結果
建物の状態を確認する方法の一つが、ホームインスペクション(建物状況調査)です。
建物状況調査では、一定の資格を持つ専門家が、基礎や外壁などの構造上主要な部分、雨水の浸入を防ぐ部分などについて調査します。
ここで注意したいのは、
「ホームインスペクション済み=何も問題がない家」ではない
ということです。
基本的には目視や計測などによる調査なので、壁の内部や将来発生する不具合まで完全に把握できるものではありません。
調査が実施されている場合は、
・いつ調査したのか
・どこを調査したのか
・どんな結果だったのか
・指摘事項はあるか
まで確認しましょう。
まだ実施されておらず、自分で依頼したい場合は、契約前の早い段階で不動産会社へ相談するのがおすすめです。
詳しくは、中古住宅のホームインスペクションは必要?費用・タイミング・注意点を宅建士が解説でまとめています。
④ 土地・境界・接道を確認する
中古住宅では建物に目が向きやすいですが、土地の条件も重要です。
確認しておきたいのは、
・土地の面積
・境界の状況
・隣地からの越境、隣地への越境
・前面道路
・接道状況
・私道の有無
・セットバックの有無
などです。
例えば接道状況によっては、将来建物を建て替える際に影響する場合があります。
境界や越境についても、購入後に隣地所有者との問題にならないよう、契約前に確認しておきたいところです。
また、土地や立地の条件は、将来住宅を売却するときにも影響します。
僕自身、中古住宅を選ぶときは「今住みやすいか」だけではなく、将来売却する可能性も考えました。
購入時から出口まで考えておきたい方は、中古住宅は将来売れる?資産価値が下がりにくい家を見極める7つのポイントも参考にしてください。
⑤ ハザードマップ・周辺環境
契約前には、建物や土地だけでなく周辺環境も改めて確認します。
例えば、
・洪水
・内水
・土砂災害
・地震
・周辺道路
・交通量
・騒音
・学校
・スーパー
・病院
などです。
ハザードマップについては、不動産会社から説明を受けるだけでなく、自分でも自治体などが公表している情報を確認しておくと安心です。
ただし、ハザードマップ上で色が付いていないから「絶対安全」、色が付いているから「買ってはいけない」と単純に判断するものではありません。
災害リスクを把握したうえで、
「自分たち家族がどう判断するか」
が大切です。
周辺環境についても、可能であれば内見した時間帯だけで判断せず、別の時間帯にも現地を見ておくと気づくことがあります。
昼間は静かでも朝夕は交通量が多い、平日と休日で雰囲気が違う、といったこともあるからです。
⑥ 物件価格以外にかかるお金
中古住宅の契約前には、最終的にいくら必要になるのかも整理しておきましょう。
住宅購入で必要になるのは、物件価格だけではありません。
例えば、
・仲介手数料
・登記費用
・住宅ローン関連費用
・火災保険
・税金
・引っ越し費用
・リフォーム費用
・家具、家電
・購入後の修繕費
などがあります。
例えば「2,500万円の中古住宅だから、2,500万円用意すればいい」とは限りません。
購入時の諸費用に加え、引っ越した直後に必要になるお金まで含めて考えておく必要があります。
詳しくは、中古住宅を買うとき、物件価格以外にいくら必要?諸費用と購入後のお金を宅建士が解説でまとめています。

僕は、住宅購入で手元の現金を使い切らないことも大切だと考えています。
中古住宅では、入居後に想定していなかった修繕が必要になる可能性もあるからです。
「買える金額」ではなく、「買ったあとも家計が回る金額」なのか。
契約前にもう一度確認しておきたいポイントです。
⑦ 住宅ローンの条件とローン特約
住宅ローンを利用する場合は、契約前にローンに関する条件も確認します。
例えば、
・借入予定額
・利用予定の金融機関
・金利タイプ
・返済期間
・融資承認までの期限
・ローン特約の内容
・ローン特約による解除期限
などです。
特に確認したいのがローン特約です。
住宅ローンの審査が承認されなかった場合などに、どのような条件で売買契約を解除できるのかが定められています。
「住宅ローンが通らなかったら自動的に全部元通りになるだろう」
と自己判断せず、契約書にどう書かれているかを確認しましょう。
また、住宅ローンについては、
「銀行が貸してくれる金額」と「家計として無理なく返せる金額」は別
と考えています。
住宅ローンの考え方については、住宅ローンはいくらまでなら無理なく返せる?年収だけで決めない5つの考え方も参考にしてください。
⑧ 手付金・契約解除・違約金
売買契約を締結するときには、手付金を支払うケースがあります。
ここで確認したいのは、
・手付金はいくらか
・いつ支払うか
・どのような条件で手付解除できるか
・解除できる時期
・違約金の条件
などです。
特に初心者が混同しやすいのが、
購入申込み時のお金と、売買契約に伴う手付金
です。
「まだ購入申込みだから」
という段階と、
「すでに売買契約を締結した」
という段階では意味が違います。
契約後に気が変わった場合、いつでも何の負担もなく契約を解除できるわけではありません。
手付解除や違約金などについては、契約内容によって扱いが異なるため、金額・条件・期限を契約前に確認することが大切です。
⑨ 契約不適合責任の範囲
中古住宅の売買契約では、契約不適合責任についても確認しておきましょう。
少し難しい言葉ですが、簡単にいえば、
「引き渡された住宅が、契約で約束された内容と違っていた場合にどうするか」
に関わるものです。
中古住宅では、
・売主が個人なのか宅建業者なのか
・契約書でどのように定められているか
・どの部分が対象なのか
・通知に関する期限はどうなっているか
・免責についてどのように定められているか
などを確認します。
ここは法律用語だけを見ても分かりにくい部分です。
重要なのは、
「何か問題が見つかったら、売主が全部直してくれるはず」
と自己判断しないことです。
売買契約書や重要事項説明書でどのように定められているのか、分からない部分は宅地建物取引士へ確認しましょう。
⑩ 引き渡し条件・付帯設備・残置物
最後に確認したいのが、実際にどの状態で家を受け取るのかです。
例えば、
・引き渡し日
・エアコン
・照明
・カーテン
・食洗機
・給湯器
・物置
・家具
・庭の設備
・残置物
などです。
内見時に置いてあったものが、すべてそのまま付いてくるとは限りません。
逆に、不要な家具や設備が残される予定になっているケースもあります。
また、設備について、
「使用できるのか」
「故障しているのか」
「売主が撤去するのか」
なども確認しておきたいところです。
付帯設備表などの書類がある場合は、実際の住宅と照らし合わせながら確認しましょう。
「当然付いてくると思っていた」
「当然撤去されると思っていた」
という認識のズレを契約前に減らしておくことが大切です。
契約前に特に確認したい「重要事項説明書」
中古住宅の契約前には、宅地建物取引士から重要事項説明を受けます。
重要事項説明では、例えば、
・登記された権利の内容
・法令上の制限
・道路との関係
・電気・ガス・水道などの状況
・契約解除に関する事項
・損害賠償や違約金
・その他の取引条件
など、購入を判断するうえで重要な内容が説明されます。
ただ、初めて住宅を購入する人にとっては、聞き慣れない言葉が多いのも事実です。
そのため僕なら、可能であれば不動産会社に、
「重要事項説明書や売買契約書の案を事前に確認できますか?」
と聞きます。
契約当日に初めて大量の書類を見て、その場ですべて理解しようとすると大変だからです。
事前に確認できれば、
「この道路の記載はどういう意味?」
「この契約解除の条件は?」
「この設備は対象?」
など、質問したいところを整理できます。
重要事項説明は、
「宅建士が説明するから任せておけばいい時間」
ではなく、
「自分が購入する住宅の条件を最終確認する時間」
と考えておきたいところです。
保存版|中古住宅の契約前チェックリスト
最後に、契約前に確認したい10項目を一覧にします。

【記事内画像③をここに挿入】
画像内容:保存版|中古住宅の契約前チェックリスト10項目
□ 建物の状態・劣化状況を確認した
□ 修繕・リフォーム履歴を確認した
□ ホームインスペクションの有無・結果を確認した
□ 土地・境界・接道を確認した
□ ハザードマップ・周辺環境を確認した
□ 物件価格以外に必要なお金を確認した
□ 住宅ローン・ローン特約を確認した
□ 手付金・契約解除・違約金を確認した
□ 契約不適合責任の内容を確認した
□ 引き渡し条件・付帯設備・残置物を確認した
すべてにチェックが付いたから「絶対に後悔しない」というものではありません。
ただ、契約前に一つずつ確認することで、
「知らずに契約してしまった」
という後悔は減らせると思います。
中古住宅で後悔しやすいポイントをもう少し広く確認したい方は、中古住宅を買って後悔すること7選|購入前に確認したいポイントを宅建士・3児パパが解説もあわせて確認してください。
3児家庭のわが家なら「購入後の家計」も契約前に確認する
ここまで建物や契約について見てきましたが、わが家の場合はもう一つ確認したいことがあります。
それが、
「この家を買ったあとも、家族のお金が回るか?」
です。
3人の子どもがいると、住宅ローン以外にもこれから教育費が増えていきます。
さらに持ち家になれば、
・固定資産税
・火災保険
・修繕費
・設備交換
なども自分たちで準備する必要があります。
そして教育費や住宅費だけで家計を使い切ってしまえば、老後資金など将来への備えが難しくなります。
だから僕は、
住宅ローン+教育費+修繕費+生活防衛資金+将来の資産形成
をセットで考えることが大切だと思っています。
3児家庭の住宅ローンについては、子ども3人家庭の住宅ローンはいくらまで?「借りられる額」より大切なことで詳しくまとめています。
また、住宅・教育費・NISAまで含めた家計全体については、3人の子どもがいる家庭はいくら貯金すべき?教育費・住宅ローン・NISAをまとめて考えてみたも参考にしてください。
住宅購入は大きな買い物ですが、家を買ったところで家族の人生が終わるわけではありません。
「契約できるか」ではなく、「契約したあとも暮らしていけるか」まで考える。
これが、3児家庭で中古住宅を購入した僕が大切にしたい視点です。
中古住宅の契約前によくある質問
重要事項説明を聞いたら必ず契約しないといけない?
重要事項説明を受けることと、売買契約を締結することは別です。
説明を聞いて分からないことや納得できない条件があれば、そのままにせず確認しましょう。
特に金額、期限、契約解除などに関する部分は重要です。
「ここまで進んだから契約しなければ」と考えるのではなく、契約内容を理解したうえで判断することが大切です。
購入申込みをしたら必ず契約しないといけない?
購入申込みと売買契約は同じではありません。
ただし、購入申込み後は売主との条件調整なども進みます。
軽い気持ちで申し込むのではなく、資金計画や購入意思を整理したうえで進めましょう。
購入申込みが購入手続きのどの段階にあたるのかは、中古住宅購入の流れを7ステップで解説でも解説しています。
契約書で分からない部分があったらどうする?
分からないまま署名・押印せず、宅地建物取引士や不動産会社に確認しましょう。
特に、
・金額
・期限
・ローン特約
・契約解除
・違約金
・契約不適合責任
・引き渡し条件
などは、理解できるまで確認したいポイントです。
質問することを遠慮する必要はありません。
契約当日に特に気をつけることは?
できるだけ、
「その日に初めて契約内容を見る」
状態を避けたいところです。
可能であれば重要事項説明書や売買契約書の案を事前に確認し、不明点を整理しておきましょう。
そして当日は、金額や期限、物件情報などに間違いがないかも含めて確認します。
焦って契約する必要はありません。
大きなお金が動く契約だからこそ、分からないことを残さないことが大切です。
まとめ|中古住宅は契約前の確認で後悔を減らそう
中古住宅の契約前に確認したいのは、次の10項目です。
- 建物の状態・劣化状況
- 修繕・リフォーム履歴
- ホームインスペクションの有無・結果
- 土地・境界・接道
- ハザードマップ・周辺環境
- 物件価格以外にかかるお金
- 住宅ローンの条件とローン特約
- 手付金・契約解除・違約金
- 契約不適合責任
- 引き渡し条件・付帯設備・残置物
中古住宅は、同じ価格・同じ築年数でも一軒ごとに条件が違います。
だからこそ、
「気に入ったから契約する」
だけではなく、
「建物・土地・お金・契約条件まで確認して、それでもこの家を買いたいか」
を考えることが大切です。
そして住宅購入は契約がゴールではありません。
住宅ローンを返しながら、家を修繕し、子どもの教育費を準備し、将来の資産もつくっていく。
「家と資産」では、家を買うことだけではなく、買ったあとの家族の暮らしまで含めて考えていきます。
まだ中古住宅購入の全体像を確認していない方は、次に中古住宅購入の流れを7ステップで解説|物件探しから引き渡しまでを読んでみてください。


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