中古住宅を探していると、
「2,000万円の中古住宅を買って、500万円くらいリフォームすれば住める?」
「キッチンやお風呂を全部交換したら、いくらかかる?」
「購入前にリフォーム費用まで分かるの?」
と気になる方も多いと思います。
僕自身も中古住宅を購入した3児の父ですが、中古住宅で大切なのは物件価格だけを見て予算を決めないことだと感じています。
2,000万円で買える家でも、購入後に500万円のリフォームが必要なら、少なくとも「2,000万円の家」として考えることはできません。
中古住宅では、
物件価格+購入諸費用+リフォーム費用+購入後の修繕費
まで含めて考えることが大切です。
この記事では、宅建士・2級FP技能士の立場と中古住宅を購入した当事者の視点から、
- 中古住宅のリフォーム費用の考え方
- 場所別の費用目安
- 入居前に直したい場所
- 後回しにできるリフォーム
- 購入前に見積もりを取る理由
- 2026年に使える可能性がある補助制度
までまとめます。
物件価格以外に必要なお金については、先に中古住宅を買うとき、物件価格以外にいくら必要?諸費用と購入後のお金を宅建士が解説も確認しておくと、全体像をつかみやすくなります。
※この記事の費用は一般的な目安です。建物の状態、地域、施工範囲、設備のグレードなどによって大きく変わります。実際の予算は現地調査と見積もりで確認してください。
中古住宅のリフォーム費用はいくらかかる?
最初に知っておきたいのは、「中古住宅のリフォーム=○○万円」と一つの金額では考えられないということです。
同じ築20年の中古住宅でも、
- クロスだけ張り替える
- キッチンと浴室を交換する
- 水回りをすべて交換する
- 間取りまで変更する
- 断熱性能を高める
- 耐震改修まで行う
では、必要な予算がまったく違います。
そのため僕なら、まずリフォームを次の3段階に分けて考えます。
| 規模 | 工事のイメージ | 考え方 |
|---|---|---|
| 小規模 | クロス、床、設備の一部交換など | 見た目・使い勝手を改善 |
| 中規模 | キッチン、浴室、トイレなど複数箇所 | 入居前にまとめて検討 |
| 大規模 | 間取り、配管、断熱、耐震など | 建物全体と資金計画から判断 |
中古住宅を購入するときに最初から「500万円でリフォームする」と決めるより、建物を確認してから「何を直す必要があるか」を決める方が現実的です。

場所別|中古住宅のリフォーム費用目安
では、どこをリフォームするとお金がかかるのでしょうか。
リフォーム費用は工事条件による差が大きいため、ここでは「この設備なら必ず○万円」と断定するのではなく、予算が大きくなるポイントを中心に見ていきます。
キッチン
キッチンは、設備本体を交換するだけなら比較的予算を把握しやすい場所です。
一方、
- 壁付けから対面式へ変更する
- キッチンの位置を移動する
- 給排水管を変更する
- 床や壁も一緒に直す
- 食洗機などを追加する
となれば工事範囲が広がります。
つまり「キッチン交換」と「キッチン空間全体のリフォーム」は別物です。
中古住宅を見るときは、設備の古さだけでなく、今の位置・間取りのまま使えるかまで考えておくと予算を読みやすくなります。
浴室
浴室も、
- ユニットバスからユニットバスへの交換
- 在来浴室からユニットバスへの変更
- 浴室サイズの変更
- 給湯器も交換
- 断熱工事も実施
などで費用が変わります。
特に古い中古住宅では、浴室を解体して初めて下地の傷みなどが分かるケースもあります。
見た目だけで予算を決めず、追加工事が発生する可能性も残しておくことが大切です。
トイレ・洗面所
トイレや洗面所は設備だけを交換するのか、
- 床
- 壁紙
- 収納
- 配管
- 手洗い
まで変更するのかで変わります。
設備交換を予定しているなら、内装も同時に施工した方が効率的な場合があります。
壁紙・床
中古住宅では比較的検討しやすいリフォームです。
ただし床は、
「表面を張り替えればよいのか」
「下地まで直す必要があるのか」
で意味が変わります。
床の傾きや沈みがある場合は、見た目をきれいにする前に原因を確認しましょう。
内見時の確認ポイントは中古住宅の内見で見るべきポイント15選|宅建士が教える後悔しないチェックリストにまとめています。
外壁・屋根
外壁や屋根も大きな支出になりやすい場所です。
ただし、
塗装で済むのか、補修が必要なのか、交換・葺き替えまで必要なのか
によって費用は大きく変わります。
「築○年だから外壁塗装100万円」と機械的に考えるのではなく、現状を確認して必要な工事を判断することが大切です。
購入後の修繕まで含めた考え方は中古住宅の修繕費はいくら?購入後にかかる費用と備え方を解説で詳しく解説しています。
断熱リフォーム
中古住宅では、見た目をきれいにするだけでなく、断熱性能を改善する選択肢もあります。
例えば、
- 窓
- 外壁
- 屋根・天井
- 床
などです。
2026年には省エネリフォームを対象とする国の支援制度もあります。
そのため、大きなリフォームを予定しているなら、設備を決める前に**「補助対象になる工事がないか」**も確認しておきたいところです。
耐震改修
築年数の古い中古住宅では、耐震性も確認したいポイントです。
ただし、
「古い=耐震改修が必要」
とは限りません。
まず建築時期や適用された耐震基準、現在の建物状態などを確認し、必要に応じて耐震診断を検討します。
旧耐震・新耐震・2000年基準については中古住宅の耐震性はどう確認する?新耐震・2000年基準と購入前のチェックポイントを宅建士が解説で詳しく解説しています。
「安い中古住宅+リフォーム」は本当にお得?
ここは、中古住宅を探すときに特に大切だと思っています。
例えば、次の2軒があったとします。
A:2,500万円・大きなリフォームは不要
B:2,000万円・500万円程度のリフォームを想定
一見すると、どちらも2,500万円です。
しかし実際には、それだけでは比較できません。
中古住宅購入では、
物件価格
+ 購入諸費用
+ リフォーム費用
+ 引っ越し・家具家電
+ 購入後の修繕費
まで考える必要があります。
さらにBの住宅を調査した結果、
「屋根もそろそろ直したい」
「給湯器も交換時期」
「断熱も改善したい」
となれば、当初の予算を超える可能性があります。
だからこそ、僕が中古住宅選びで大切だと思うのは、
「いくらで買えるか」ではなく、「いくらで安心して住み始められるか」で比較すること。
です。
安い中古住宅が悪いわけではありません。
むしろ建物状態を把握したうえで必要な部分にお金をかければ、新築より住宅費を抑えながら自分たちに合った家をつくれる可能性があります。
問題なのは、「安く買えた500万円」を、そのまま得した500万円だと思ってしまうことです。
入居前にやるリフォームと後回しにできるリフォームを分ける
中古住宅を買うと、
「あれも直したい」
「ここも新しくしたい」
となりがちです。
でも、すべてを入居前に新品にする必要はありません。
僕なら、
①入居前にやった方がよいもの
と、
②住みながら判断できるもの
に分けます。
入居前に検討したいリフォーム
例えば、
- 大きな間取り変更
- 床全面の張り替え
- 大規模な水回り移動
- 配管を伴う工事
- 断熱改修
- 耐震改修
などです。
家具を入れた後では工事しにくかったり、生活しながら施工する負担が大きかったりする工事は、入居前に検討する価値があります。
入居後でも判断しやすいリフォーム
一方、
- 一部の設備交換
- 収納の追加
- 部屋ごとの内装変更
- 生活してから気づいた使い勝手の改善
などは、急いでいなければ後からでも検討できます。
実際に暮らしてみると、
「ここは直さなくてもよかった」
「むしろこっちにお金を使いたい」
と分かることもあります。
特に子育て家庭では、子どもの成長によって必要な間取りや設備も変わります。
「買ったときに全部完成させる」必要はありません。

リフォームより先に「直す必要がある場所」を確認する
僕なら、中古住宅を買って最初に考えるのは、
「どんなキッチンにするか」
ではありません。
先に、
「この家で本当に直さなければならない場所はどこか」
を確認します。
例えば、
- 雨漏り
- 基礎
- 外壁
- 屋根
- 給排水
- シロアリ被害
- 建物の傾き
- 耐震性
などです。
見た目をきれいにするリフォームに300万円使った後で、屋根や構造部分に大きな修繕が必要だと分かれば、資金計画が崩れてしまいます。
そこで役立つのが専門家による建物の確認です。
中古住宅のホームインスペクションは必要?費用・タイミング・注意点を宅建士が解説でも解説していますが、購入前に建物状態を把握できれば、リフォーム予算も立てやすくなります。
なお、ホームインスペクションと耐震診断は目的が異なります。
耐震性が気になる場合は、必要に応じて別途耐震診断を検討しましょう。
中古住宅は購入前にリフォーム見積もりを取るべき?
大きなリフォームを予定しているなら、購入判断のできるだけ早い段階で概算費用を把握しておくことをおすすめします。
なぜなら、
「2,000万円なら買える」
ではなく、
「2,000万円+リフォーム+諸費用でも無理なく買える」
かを判断する必要があるからです。
特に、
- 水回りをまとめて交換したい
- 間取りを変えたい
- 築年数が古い
- 断熱改修をしたい
- 外壁や屋根にも手を入れたい
という住宅なら、リフォーム費用が購入判断そのものに影響します。
1社だけで決めない
リフォーム会社によって、
- 提案内容
- 工事範囲
- 使用する設備
- 見積もりの項目
- 価格
は異なります。
そのため、金額だけではなく**「同じ条件で何が含まれているか」**を比較することが大切です。
「総額」だけを見ない
例えば、
A社:350万円
B社:400万円
ならA社が安く見えます。
しかしB社には下地補修や廃材処分などが含まれていて、A社では追加費用になるかもしれません。
比較するときは、
何を・どこまで・どの商品で・追加費用が発生する条件は何か
まで確認しましょう。
購入前なら「概算→現地調査」の順で考える
物件を見ただけで、正確なリフォーム費用を出すのは難しいものです。
まず概算を確認し、購入候補が絞れたら、可能な範囲で現地を確認してもらう。
この順番で進めると、
物件価格+工事費の総予算
を判断しやすくなります。
リフォーム会社が決まっていない場合
1社ずつ探す方法のほか、複数のリフォーム会社へ相談・見積もり依頼ができるサービスを使う方法もあります。
大切なのは「最安値を探すこと」ではなく、同じ希望条件で工事内容と総額を比較することです。
※「無料見積もり」「厳選業者」など、提携サービスの実際の条件を確認してから表現を確定してください。
リフォーム費用も含めて住宅ローンを考える
中古住宅では、
「住宅ローンは物件代」
「リフォームは現金」
と最初から決める必要はありません。
金融機関によっては、中古住宅の購入資金とリフォーム資金をまとめて借りる商品があります。
ただし、
- 借入条件
- 金利
- 審査
- 工事内容
- 見積書の提出時期
などは金融機関・商品によって異なります。
重要なのは、家を買った後にリフォーム資金を考え始めないことです。
住宅ローンを申し込む段階から、
物件価格+リフォーム費用
を含めて資金計画を立てましょう。
そして「借りられるか」だけでなく、教育費や生活費まで含めて返せるかを考える必要があります。
住宅ローンの考え方は住宅ローンはいくらまでなら無理なく返せる?年収だけで決めない5つの考え方で解説しています。
2026年はリフォーム補助金も確認しておきたい
リフォームを検討するなら、補助制度も確認しておきましょう。
2026年10月2日時点では、国の「住宅省エネ2026キャンペーン」が実施されています。
「みらいエコ住宅2026事業」のリフォームでは、原則として2016年12月31日以前に新築された住宅を対象に、省エネ性能を高める一定のリフォームが補助対象となっています。
住宅の新築時期や改修後の性能などによって、1戸あたり40万円~100万円が補助上限です。
また、窓については「先進的窓リノベ2026事業」など、工事内容によって別の制度が対象になる場合もあります。
ただし、
「中古住宅をリフォームすれば必ず補助金がもらえる」わけではありません。
住宅や工事内容、使用する製品、申請時期などに条件があります。
また、予算上限に達すると受付が終了する制度もあります。
そのため、
リフォーム内容を決める前に「この工事は補助対象にならないか?」を施工会社へ確認する
のがおすすめです。
制度を理由に不要な工事を増やすのではなく、もともと必要な工事が対象になるなら活用するくらいの考え方がよいと思います。
※補助制度は年度途中でも受付状況や要件が変わる可能性があります。申請時は必ず国の最新情報を確認してください。
中古住宅リフォームで後悔しない5つのポイント
ここまでを整理すると、僕が中古住宅購入時に特に意識したいのは次の5つです。
① 物件価格だけで予算を決めない
「2,000万円で買える」ではなく、
購入諸費用・リフォーム・修繕まで含めていくらになるか
を考えます。
② 見た目より建物状態を優先する
クロスやキッチンは後から交換できます。
一方で、構造部分や雨漏りなどは放置できない場合があります。
まず住宅の状態を確認しましょう。
③ 全部を一度に直そうとしない
中古住宅だからといって、古い設備をすべて新品にする必要はありません。
「必要な工事」と「やりたい工事」を分けるだけでも、予算を整理しやすくなります。
④ 見積もりは工事内容まで比較する
価格だけでなく、
工事範囲・設備・追加工事・保証
まで確認します。
⑤ 現金を使い切らない
これが子育て家庭では特に重要です。
家を買った直後にも、
- 引っ越し
- 家具家電
- 固定資産税
- 修繕
- 車
- 教育費
など、さまざまな支出があります。
「リフォームできるだけのお金がある」と「リフォームに使ってよいお金がある」は同じではありません。
この点は次の記事で、**「中古住宅を買うとき現金はいくら残す?」**というテーマとして詳しく考えていきます。
3児家庭だからこそ、リフォームにお金をかけすぎない
僕は3人の子どもを育てながら、中古住宅の住宅ローンを返しています。
だからこそ住宅に使うお金は、住宅だけで考えないようにしています。
家族のお金には、
住宅費
+ 教育費
+ 生活防衛資金
+ 老後資金
+ 資産形成
があります。
「せっかく家を買うなら」
と設備や内装にこだわり始めると、リフォーム予算は膨らみやすくなります。
もちろん、毎日の生活を快適にするためにお金を使うことは悪いことではありません。
でも500万円をリフォームに使えば、その500万円は教育費や将来の資産形成には使えません。
だから僕なら、
今直さないと困るもの
今直すと生活が大きく改善するもの
5年後でもいいもの
の3つに分けます。
子どもが小さい時期と高校生になった時期では、家の使い方も変わります。
中古住宅の良さは、最初から100点の家を完成させなくてもいいことだと思っています。
家族の変化に合わせて、少しずつ手を入れていく。
その余白を残すことも、一つのリフォーム計画です。
中古住宅のリフォーム費用についてよくある質問
中古住宅は購入前にリフォーム見積もりを取れますか?
売主や仲介会社との調整が必要ですが、購入前に施工会社へ相談し、概算を確認できる場合があります。
大規模なリフォームを前提に購入するなら、契約前のできるだけ早い段階で相談しておくと安心です。
契約前に確認したいことは中古住宅の契約前に確認すること10選|買ってから後悔しないチェックリストにもまとめています。
500万円あればどこまでリフォームできますか?
一概には言えません。
設備のグレード、住宅の広さ、建物状態、間取り変更の有無などによって工事できる範囲が変わります。
「500万円でどこまでできる?」より、
「この家で必要な工事はいくら?」
と考える方が中古住宅では実用的です。
リフォーム費用も住宅ローンに入れられますか?
金融機関によっては、中古住宅の購入費とリフォーム費をまとめて借りられる商品があります。
利用条件は商品によって異なるため、物件購入とリフォームをセットで考えている場合は、住宅ローンを選ぶ段階から確認しましょう。
中古住宅は購入後すぐにリフォームするべきですか?
すべてをすぐに直す必要はありません。
建物状態、生活への影響、工事の緊急度、家計を見ながら、
入居前にやるもの/住んでから考えるもの
に分ける方法があります。
まとめ|中古住宅は「購入価格」ではなく「住めるまでの総額」で考える
中古住宅のリフォームで一番大切なのは、
「リフォームはいくらかかる?」だけを考えないこと
だと思っています。
まず、
① 建物の状態を確認する
↓
② 必要な工事を整理する
↓
③ リフォーム費用を見積もる
↓
④ 物件価格+諸費用+工事費で総額を考える
↓
⑤ 家計に無理がないか判断する
という順番で考えてみてください。
中古住宅は、新築より安く買えることがあります。
でも、
「安く買うこと」と「無理なく住み続けられること」は別です。
リフォームに使いすぎて教育費や生活防衛資金がなくなってしまえば、家族のお金としては本末転倒です。
だからこそ、
物件価格ではなく「住める状態になるまでの総額」で家を選ぶ。
これが、中古住宅購入で後悔を減らす一つの考え方だと思います。
これから中古住宅を探す方は、中古住宅購入の流れを7ステップで解説|物件探しから引き渡しまでもあわせて確認してみてください。
購入後の支出まで考えたい方は、中古住宅の修繕費はいくら?購入後にかかる費用と備え方も参考になると思います。
リフォーム費用が購入判断に影響しそうなら、契約してから考えるのではなく、購入前に概算を確認しておくと安心です。


コメント