ガス給湯器とエコキュートはどっちがお得?交換費用・光熱費・10年間の総額を比較

住まい・不動産

「給湯器がそろそろ交換時期かもしれない」

「ガス給湯器とエコキュート、結局どちらがお得なの?」

中古住宅を購入した方や、これから住宅設備を交換する方にとって、給湯器は意外と大きな出費です。

ガス給湯器は比較的導入しやすい一方、エコキュートは毎月の給湯にかかる光熱費を抑えられる可能性があります。

ただし、ここで注意したいことがあります。

光熱費が安いことと、10年間の総支出が安いことは同じではありません。

僕は3人の子どもを育てながら中古住宅を購入した「きつね」です。宅地建物取引士・2級FP技能士の立場からも、住宅設備の交換は本体価格だけでなく、家計全体で考えることが大切だと思っています。

この記事では、ガス給湯器とエコキュートの違いを整理し、交換費用・光熱費・補助金・10年間の総額を比較します。

※本記事の10年間の金額は、比較方法を理解するための仮定の試算です。全国平均価格や特定商品の見積価格ではありません。実際の費用は現地調査と料金プランの確認が必要です。

  1. 結論|ガス給湯器とエコキュートはどっちがお得?
  2. ガス給湯器とエコキュートの仕組みの違い
    1. ガス給湯器は、使うときにお湯をつくる
    2. エコキュートは、空気の熱を利用してお湯をつくる
  3. 交換費用はどれくらい違う?
    1. ガス給湯器の交換で確認したい費用
    2. エコキュートへの交換で確認したい費用
  4. 10年間の総額を比較|光熱費の差で元は取れる?
    1. 比較条件|あくまで説明用の仮定
    2. 年間の光熱費差が変わると、結論も変わる
  5. 都市ガスとLPガスでは、比較結果が変わる
    1. 現在のガス代が、そのまま給湯費とは限らない
    2. 自宅の条件で試算するために必要な情報
  6. 5人家族なら、エコキュートのタンク容量にも注意
  7. 2026年のエコキュート補助金はいくら?
  8. 中古住宅で給湯器を交換する前に確認したい7つのこと
    1. ① 今の給湯器の型番と製造年
    2. ② 現在の給湯方式と機能
    3. ③ 家族に必要な給湯能力・容量
    4. ④ エコキュートの設置スペース
    5. ⑤ 電気・ガス・配管の工事内容
    6. ⑥ 保証と故障時の対応
    7. ⑦ 補助金を差し引いた実際の支払額
  9. 給湯器の見積もりは、どこを比較すればいい?
  10. ガス給湯器が向いている家庭・エコキュートが向いている家庭
    1. ガス給湯器が向いている可能性がある家庭
    2. エコキュートが向いている可能性がある家庭
  11. 給湯器交換のお金は、教育費や貯蓄とも一緒に考えたい
  12. よくある質問
    1. Q. エコキュートは10年で元が取れますか?
    2. Q. ガス給湯器からエコキュートへ変更できますか?
    3. Q. 5人家族ならエコキュートの方がお得ですか?
    4. Q. エコキュートは停電してもお湯が使えますか?
    5. Q. 故障していなくても交換した方がいいですか?
  13. まとめ|給湯器は「本体価格」より「10年間の総額」で考えよう
  14. 参考資料・公式情報

結論|ガス給湯器とエコキュートはどっちがお得?

最初に結論です。

初期費用を抑えたいならガス給湯器、長期間の光熱費まで含めて考えるならエコキュートが候補になります。

ただし、どちらが得になるかは住宅の条件次第です。

比較項目ガス給湯器エコキュート
主なエネルギー都市ガス・LPガス電気
導入費用比較的抑えやすい高くなりやすい
給湯の光熱費ガス料金に左右される電気料金・効率に左右される
お湯のつくり方基本的に使用時に加熱タンクに沸かしたお湯を貯める
設置スペース比較的小さい貯湯タンクなどのスペースが必要
主な注意点ガス料金・号数・機能タンク容量・設置場所・電気契約

例えば、今あるガス給湯器を同じ方式の機器に交換するだけなら、工事が比較的シンプルな場合があります。

一方、ガス給湯器からエコキュートへ切り替える場合は、機器の設置だけでなく、電気工事・配管工事・基礎工事などが必要になることがあります。

つまり、「ガスか電気か」だけでなく、「今の家に何が設置されているか」が大切です。

ガス給湯器とエコキュートの仕組みの違い

ガス給湯器は、使うときにお湯をつくる

一般的なガス給湯器は、ガスを燃焼させて水を温めます。

蛇口やシャワーを使うときに必要なお湯をつくる方式なので、基本的に大きな貯湯タンクを必要としません。

ガス給湯器の中には、排気熱を再利用して効率を高めた「エコジョーズ」もあります。

同じガス給湯器でも、従来型とエコジョーズでは機器価格やガス使用量が異なります。見積もりを比較するときは、どちらの方式なのか確認しましょう。

エコキュートは、空気の熱を利用してお湯をつくる

エコキュートは、ヒートポンプ技術で空気中の熱を利用し、電気でお湯をつくる設備です。

つくったお湯は貯湯タンクに蓄え、必要なときに使用します。

電気料金が安い時間帯に沸き上げたり、太陽光発電の余剰電力を活用したりできる機種もあります。

ただし、エコキュートにすれば必ず電気代が安くなるわけではありません。電気料金プランや使用時間、季節、給湯量によって結果が変わります。

交換費用はどれくらい違う?

給湯器を比較するとき、最初に確認したいのが本体代と工事費を合わせた総額です。

本体価格だけを比較しても、実際に支払う金額は分かりません。

ガス給湯器の交換で確認したい費用

  • 給湯器本体
  • リモコン
  • 既存機器の撤去・処分
  • 設置工事
  • 必要に応じた配管・排気・ドレン排水工事

既存機器と同じ方式・同じ設置場所への交換なら、追加工事を抑えられる場合があります。

ただし、設置場所や機器の機能を変更する場合は、費用が増えることもあります。

エコキュートへの交換で確認したい費用

  • エコキュート本体とリモコン
  • 貯湯タンク・ヒートポンプユニットの設置
  • 基礎工事
  • 給排水・給湯配管工事
  • 専用電源・分電盤などの電気工事
  • 既存給湯器の撤去・処分
  • 搬入や設置場所の調整

特にガス給湯器からエコキュートへ変更する場合は、タンクを置く場所が確保できるかが重要です。

住宅の敷地条件によっては、搬入経路や基礎の工事も必要になります。

見積書では「本体+標準工事」だけでなく、追加工事を含む最終的な支払総額を確認しましょう。

中古住宅全体の設備交換・修繕費を整理したい方は、中古住宅の修繕費はいくら?購入後にかかる費用と備え方を解説も参考にしてください。

10年間の総額を比較|光熱費の差で元は取れる?

ここが今回、最も伝えたいポイントです。

給湯器の費用は、次の式で考えると整理しやすくなります。

10年間の総支出=導入・交換費用+10年間の給湯にかかる光熱費+追加の維持・修理費-受けられる補助金

今回はまず仕組みを分かりやすくするため、修理費や補助金を除いた単純なモデルで比較します。

比較条件|あくまで説明用の仮定

項目ガス給湯器エコキュート
交換工事込みの費用25万円65万円
給湯にかかる年間光熱費9万円5万円
10年間の光熱費90万円50万円
10年間の合計115万円115万円

※上記は計算例として設定した仮定の金額です。実際の見積価格、標準的な年間光熱費、メーカー公表値ではありません。両方式で同じ給湯量を満たすことを想定し、補助金・故障修理・料金改定・金利・将来の機器交換は含めていません。

この例では、エコキュートの初期費用が40万円高い一方、年間光熱費は4万円安くなっています。

つまり、

初期費用の差40万円 ÷ 年間光熱費の差4万円=10年

となり、10年間でようやく総支出が同じになります。

「エコキュートは光熱費が安いから必ずお得」とは言い切れない理由がここにあります。

年間の光熱費差が変わると、結論も変わる

先ほどと同じ初期費用差40万円でも、年間の光熱費差が変わると、単純な回収年数は次のようになります。

年間光熱費の差初期費用40万円の回収年数
2万円20年
4万円10年
6万円約6.7年

※単純計算であり、故障・修理・補助金・料金変動・将来の交換費用は考慮していません。

同じエコキュートでも、使用条件によって回収年数が大きく変わることが分かります。

そして、実際の給湯器には寿命や故障のリスクがあります。10年間、必ず修理なしで使えるとは限りません。

したがって、「10年で元が取れる」という試算は、10年間の使用を保証するものではないことも覚えておきましょう。

都市ガスとLPガスでは、比較結果が変わる

給湯器を比較するときに見落としやすいのが、現在使っているガスの種類です。

都市ガスとLPガスでは、料金体系や単価が異なります。

また、同じ都市ガスでも契約先や使用量によって料金が変わります。

そのため、インターネット上の「エコキュートにすると年間○万円お得」という数字を、そのまま自宅に当てはめるのは避けたいところです。

現在のガス代が、そのまま給湯費とは限らない

例えばガス代が毎月1万円だったとしても、そのすべてが給湯に使われているとは限りません。

ガスコンロ、ガス暖房などを使っていれば、それらの使用量も含まれています。

さらに、エコキュートへ変更してもガスコンロを使い続ける場合は、ガスの基本料金が残る可能性があります。

反対に、給湯器の変更と同時にガス契約を終了できるなら、基本料金も含めて家計が変わります。

比較するときは、給湯だけの費用と、家全体のエネルギー契約の変化を分けて考えることが大切です。

自宅の条件で試算するために必要な情報

  • 現在のガス種別と料金プラン
  • 過去12か月のガス使用量・料金
  • ガスコンロやガス暖房の使用状況
  • 現在の電気料金プラン
  • 家族人数とお湯の使用量
  • 太陽光発電の有無
  • 交換候補機種の効率・容量

この情報をもとに施工会社やメーカーへ試算を依頼すると、一般的な比較表より自宅に近い判断ができます。

5人家族なら、エコキュートのタンク容量にも注意

子育て家庭では、給湯器のランニングコストだけでなく、お湯を使う量も大切です。

例えば5人家族なら、シャワー、入浴、洗面、食器洗いなどでお湯を使います。

エコキュートは貯湯式なので、タンク容量や沸き上げ設定が使用状況に合っていないと、湯切れや追加沸き上げが発生する場合があります。

タンク容量は家族人数だけで機械的に決めるのではなく、次の点も考慮して選びましょう。

  • シャワーの使用時間
  • 入浴する時間帯
  • 浴槽のお湯を毎日張るか
  • 追い焚き・保温の使い方
  • 将来の家族構成

また、エコキュートのタンクに貯めた水を災害時に生活用水として利用できる機種もあります。ただし、取り出し方や飲用の可否は機種ごとの取扱説明書に従ってください。

2026年のエコキュート補助金はいくら?

2026年には、国の「給湯省エネ2026事業」が実施されています。

対象となるエコキュートの補助額は、次のとおりです。

区分補助額
基本要件を満たす対象機種7万円/台
追加の性能要件も満たす対象機種合計10万円/台

ただし、エコキュートを購入すれば自動的に補助金がもらえるわけではありません。

対象製品として登録されていることや、制度に登録した事業者との契約など、所定の条件があります。

また、工事前後の写真などが必要で、予算上限に達すると受付が終了する場合があります。

補助金の申請手続きは原則として登録事業者が行うため、契約前に補助金対応の可否を確認しましょう。

なお、一般的なガス給湯器からエコキュートへ切り替えるだけで、撤去加算が受けられるわけではありません。撤去加算は、所定の電気温水器・電気蓄熱暖房機などが対象です。

制度の最新情報は、給湯省エネ2026事業の公式サイトで確認してください。

※補助額・受付状況・対象要件は変更される可能性があります。工事契約前に最新の公式情報を確認してください。

中古住宅で給湯器を交換する前に確認したい7つのこと

中古住宅では、建物の築年数と設備の使用年数が一致しないことがあります。

築20年の家でも給湯器は交換済みかもしれませんし、リフォーム済み物件でも給湯器だけ古いままかもしれません。

交換を検討するときは、次の7つを確認しておきましょう。

① 今の給湯器の型番と製造年

本体の銘板や取扱説明書などで確認します。製造年だけでなく、交換履歴や不具合の有無も確認しましょう。

② 現在の給湯方式と機能

ガス給湯器かエコキュートか、追い焚きや自動湯張りなど、現在必要な機能を整理します。

③ 家族に必要な給湯能力・容量

ガス給湯器なら号数、エコキュートならタンク容量などが重要です。現在の使い方に合うか確認します。

④ エコキュートの設置スペース

貯湯タンクとヒートポンプユニットを置けるか、搬入経路はあるか、基礎工事が必要かを確認します。

ヒートポンプユニットの運転音や設置位置については、隣家への影響も考慮したいところです。

⑤ 電気・ガス・配管の工事内容

ガスから電気へ変更する場合、電源工事や配管変更が必要になることがあります。追加費用が発生する条件を確認しましょう。

⑥ 保証と故障時の対応

メーカー保証、施工保証、有料延長保証の違いを確認します。故障時の連絡先や修理対応も大切です。

⑦ 補助金を差し引いた実際の支払額

補助金が利用できる場合でも、見積書にどう反映されるのか、誰が申請するのか、いつ還元されるのかを確認しましょう。

給湯器の見積もりは、どこを比較すればいい?

交換費用を比較するときは、金額だけでなく工事条件をそろえることが重要です。

例えば、A社が40万円、B社が48万円でも、B社には基礎工事や既存機器の撤去費用が含まれているかもしれません。

僕なら、次の項目を確認します。

  • メーカー・型番・機能・容量
  • 本体代とリモコン代
  • 標準工事に含まれる範囲
  • 配管・電気・基礎などの追加工事
  • 既存機器の撤去・処分費
  • 保証内容と故障時の対応
  • 補助金適用後の実質負担額

「安い見積もり」よりも、「必要な工事が含まれた納得できる見積もり」を選ぶことが大切です。

複数社の見積もりを比較するときの考え方は、リフォームの見積もり比較に関する記事でも解説しています。

ガス給湯器が向いている家庭・エコキュートが向いている家庭

ガス給湯器が向いている可能性がある家庭

  • 交換時の初期費用を抑えたい
  • 今のガス給湯器と同じ方式で交換したい
  • エコキュートの設置スペースを確保しにくい
  • 現在のガス料金が比較的安い
  • 光熱費の削減額が小さく、初期費用差を回収しにくい

エコキュートが向いている可能性がある家庭

  • 長く住み続ける予定がある
  • 給湯に使うお湯の量が多い
  • 自宅の電気料金プランと相性がよい
  • 太陽光発電の余剰電力を活用できる
  • 設置スペースを確保できる
  • 補助金も含めて導入費用を比較できる

ただし、これらはあくまで検討の方向性です。最終的には自宅の見積もりと光熱費の試算で判断しましょう。

給湯器交換のお金は、教育費や貯蓄とも一緒に考えたい

給湯器は生活に欠かせない設備ですが、交換費用は家計にとって小さな金額ではありません。

例えば、エコキュートを選ぶことで初期費用が40万円増えるとします。

その40万円を給湯器に使うことには、光熱費の削減や生活の快適さという価値があります。

一方で、40万円は教育費や生活防衛資金、ほかの住宅修繕にも使えるお金です。

だからこそ、僕は「長期的にお得そうだから高い設備を買う」ではなく、「その差額を払う価値が自分の家族にあるか」で考えたいと思っています。

住宅ローン、固定資産税、保険、修繕費などを含めた住居費の考え方は、子ども3人家庭の住居費と教育費・貯蓄のバランスに関する記事も参考にしてください。

よくある質問

Q. エコキュートは10年で元が取れますか?

必ず10年で元が取れるわけではありません。導入費用の差と、毎年の給湯光熱費の差によって変わります。補助金や修理費、将来の料金改定も考慮する必要があります。

Q. ガス給湯器からエコキュートへ変更できますか?

変更できる住宅はありますが、設置スペース、搬入経路、電気容量、配管などの確認が必要です。現地調査を受けて判断しましょう。

Q. 5人家族ならエコキュートの方がお得ですか?

お湯の使用量が多いほど光熱費差が大きくなる可能性はありますが、必ずエコキュートが安くなるとは限りません。料金プラン、タンク容量、使用時間帯などを確認してください。

Q. エコキュートは停電してもお湯が使えますか?

停電中は通常の沸き上げや自動給湯機能が使えなくなる場合があります。タンク内のお湯や水の取り出し可否・方法は機種によって異なります。災害時の使い方は取扱説明書で確認しましょう。

Q. 故障していなくても交換した方がいいですか?

年数だけで交換を決める必要はありません。ただし、使用年数が長く、不具合が出ている場合や修理部品の供給が難しい場合は、故障前に見積もりを取っておくと判断しやすくなります。

まとめ|給湯器は「本体価格」より「10年間の総額」で考えよう

ガス給湯器とエコキュートは、どちらにもメリットと注意点があります。

  • ガス給湯器は初期費用を抑えやすい
  • エコキュートは給湯光熱費を抑えられる可能性がある
  • 都市ガスとLPガスでは比較条件が変わる
  • 初期費用の差を回収できるかは年間光熱費の差次第
  • 中古住宅では設置スペースや追加工事の確認が重要
  • 2026年の補助金は対象機種・事業者などの条件を確認する
  • 交換費用は教育費・修繕費・貯蓄とのバランスで考える

僕が大切だと思うのは、「どちらが人気か」ではなく、「自分の家ではどちらが合理的か」という視点です。

まずは今の給湯器の型番と使用年数を確認し、交換が必要なら、同じ条件で見積もりを取ってみてください。

家族の暮らしを快適にしながら、将来のお金も守れる選択を一緒に考えていきましょう。

参考資料・公式情報

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