中古住宅は築何年までなら買って大丈夫?築年数より大切な5つのチェックポイント

住まい・不動産

中古住宅を探していると、どうしても気になるのが「築年数」です。

築5年。
築10年。
築20年。
築30年……。

物件情報を見ながら、

「築20年って古すぎない?」
「あと何年住める?」
「将来売れるの?」

と不安になる人もいるのではないでしょうか。

私も中古住宅を検討するとき、築年数はかなり気になりました。

ただ、住宅について調べていくと、

「築○年までなら大丈夫」と築年数だけで線を引くのは、あまり合理的ではない

と考えるようになりました。

同じ築20年でも、建物の状態は同じではありません。

さらに「家と資産」という視点で考えるなら、建物だけでなく、

土地・立地・修繕履歴・耐震性・将来の売りやすさ

まで見て判断することが重要です。

この記事では、3児を育てる会社員で、宅地建物取引士でもある「きつね」が、中古住宅の築年数をどう考えればいいのか整理します。


結論|「築何年まで」ではなく5つを見る

最初に結論です。

中古住宅を選ぶとき、私は築年数だけで判断するのではなく、次の5つを確認することが重要だと考えています。

① 建物の状態・修繕履歴
② 耐震性
③ 土地・立地
④ これから必要になる修繕費
⑤ 将来売る・貸すという選択肢

例えば、

築10年だけれど立地が悪く、メンテナンス状態も良くない家

と、

築20年だけれど立地が良く、適切にメンテナンスされている家

なら、必ずしも築10年の方が良いとは限りません。

大切なのは、

「何年経っているか」ではなく、「その年月をどう過ごしてきた家なのか」。

です。

そしてもう一つ。

子育て家庭なら、

「この家にあと何年住むのか」

まで考えておきたいところです。


木造住宅は築20年で住めなくなるわけではない

中古戸建を調べていると、

「木造住宅の寿命は20年」

といった話を目にすることがあります。

しかし、これは少し注意が必要です。

よく混同されるのが、建物の法定耐用年数です。

国税庁の「主な減価償却資産の耐用年数表」では、木造・合成樹脂造の住宅用建物の法定耐用年数は22年とされています。

ただし、この「22年」は税務上の減価償却に使われる年数です。「築22年になったら住宅として住めなくなる」という意味ではありません。

▶ 出典:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」

「築22年になったら住めなくなる」という意味ではありません。

適切に点検・修繕されていれば、それより長く使われる木造住宅はあります。

ですから、

築20年=寿命間近

と単純に考える必要はありません。

一方で、築年数が進めば設備や外装などに修繕が必要になる可能性は高まります。

そこで重要になるのが、次の「修繕履歴」です。


① 建物の状態・修繕履歴を見る

中古住宅でまず確認したいのは、

「これまでどんなメンテナンスをしてきたか」

です。

例えば、

  • 外壁
  • 屋根
  • 防水
  • 給湯器
  • 水回り
  • シロアリ対策
  • 雨漏り
  • 床下

などです。

築年数が比較的新しくても、メンテナンスされていなければ購入後にまとまった費用が発生する可能性があります。

逆に築年数が進んでいても、必要な修繕が行われている住宅なら評価は変わります。

物件を検討するときは、

「築○年です」だけで終わらせず、「これまでどこを直しましたか?」

まで確認したいところです。

可能であれば、

  • 修繕履歴
  • 点検記録
  • リフォーム履歴

なども確認します。


② 耐震性|特に「1981年」と「2000年」は知っておきたい

中古住宅の築年数を見るとき、重要なポイントの一つが耐震基準です。

1981年6月

1981年6月1日から、建築物の耐震基準を強化する改正規定が施行されました。一般に、これ以降の基準を「新耐震基準」と呼んでいます。国土交通省の資料でも、1981年5月以前に建築された建築物を「旧耐震基準」として区分しています。

そのため、古い中古住宅を検討するときは、新耐震基準かどうかを確認しておきたいところです。

ただし、「1981年以降なら絶対に安心」という意味ではありません。建物の状態や構造なども含めて判断する必要があります。

▶ 出典:国土交通省「建築基準法施行令の一部改正について」

木造住宅では2000年も一つのポイント

木造住宅では、2000年(平成12年)も一つの重要なポイントです。

国土交通省によると、熊本地震では新耐震基準の在来軸組構法の木造住宅でも、接合部等の規定が明確化された2000年以前に建築された住宅に倒壊等の被害が見られました。

そのため、中古木造住宅を見るときは、1981年だけでなく**「2000年前後」も耐震性を考える一つの目安**として知っておくとよいでしょう。

もちろん、「2000年以前だから買ってはいけない」という意味ではありません。必要に応じて耐震診断や補強も含めて検討することが大切です。

▶ 出典:国土交通省「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法の公表について」


③ 建物だけでなく「土地・立地」を見る

ここは「家と資産」で特に伝えたい部分です。

中古住宅を見ると、どうしても建物に目が行きます。

「築何年?」

「キッチンは新しい?」

「外壁はきれい?」

もちろん大切です。

でも不動産として考えるなら、

土地は建物とは違う性質を持っています。

建物は年数の経過によって劣化します。

一方で土地は、「築20年だから古くなる」というものではありません。

だから中古戸建を見るときは、

建物と土地を分けて考える

ことが重要です。

例えば、

  • 駅までの距離
  • スーパー・学校へのアクセス
  • 周辺環境
  • 接道状況
  • 土地の形
  • ハザードリスク
  • 周辺の需要

などです。

将来的に家を売ることになった場合にも、こうした条件が重要になります。


「建物が古くなっても、この土地には価値があるか?」

中古住宅を見るとき、私はこの視点を持っておくことをおすすめします。

仮に30年住んだとします。

当然、購入時より建物は古くなります。

そのとき、

「この場所に住みたい人はいるだろうか?」

と考えてみます。

例えば、

駅に近い。

生活しやすい。

道路付けが良い。

土地の形が使いやすい。

一定の住宅需要がある。

こうした条件なら、建物が古くなったとしても土地に需要が残る可能性があります。

逆に新しい住宅でも、

「将来この場所を欲しい人がいるだろうか?」

という視点は必要です。

「新しい=資産価値が高い」とは限りません。


④ 購入価格だけでなく「これからの修繕費」を見る

例えば、

築10年・3,500万円

築20年・3,000万円

の住宅があったとします。

500万円安いから築20年の方がお得。

……とは限りません。

購入直後に、

  • 外壁
  • 屋根
  • 給湯器
  • エアコン
  • 水回り

などの交換や修繕が重なれば、その差は縮まります。

反対に、売主が直近で外壁・屋根などを適切にメンテナンスしているなら評価は変わります。

だから、

物件価格+購入後に必要になるお金

で比較する必要があります。

これは3本目の記事でもお伝えした考え方です。

中古住宅を買うとき、物件価格以外にいくら必要?諸費用と購入後のお金


⑤ 「一生住む」と決めつけず、出口も考える

マイホームを買うとき、

「一生ここに住む」

と考える人も多いと思います。

もちろん、それでも構いません。

ただ、30年後まで何が起こるかは分かりません。

転勤。

仕事の変化。

親の介護。

子どもの独立。

夫婦の生活スタイルの変化。

家族構成が変われば、必要な住宅も変わります。

だから私は、

売る・貸すという選択肢を完全に捨てない家選び

も大切だと考えています。

将来必ず売る必要はありません。

でも、

「住み続けるしかない家」と「住む・売る・貸すを選べる家」なら、後者の方が家族の選択肢は増える。

という考え方です。

これが「家を資産として考える」ということの一つだと思っています。


築年数別にどう考える?

ここまでを踏まえて、かなり大まかに整理してみます。

築年数見方
築0〜10年程度比較的新しいが、価格・立地とのバランスを見る
築10〜20年程度設備・外壁など今後の修繕時期を確認
築20〜30年程度修繕履歴・耐震性・建物状態をより慎重に確認
築30年以上建物だけでなく土地価値、耐震・修繕費まで含めて判断

ただし、これは、

「築○年なら安全」「築○年ならダメ」

という表ではありません。

むしろ築年数が進むほど、

価格だけでは分からない個体差が大きくなる

と考えた方がいいでしょう。


子育て家庭なら「子どもが独立するとき」も考えてみる

3児家庭としては、ここも重要だと思っています。

今は5人で暮らすため、

「部屋数が欲しい」

「広いリビングが欲しい」

「駐車場が欲しい」

となります。

でも20年後。

子どもたちが独立すれば、夫婦2人になる可能性があります。

そうすると、

今ちょうどいい家が、将来も必ずちょうどいいとは限りません。

だからこそ、

「今の家族に合うか」

だけではなく、

「家族構成が変わったときにも選択肢を持てるか」

という視点も持っておきたいところです。


「安い中古住宅」を探すより「納得できる中古住宅」を探す

中古住宅の魅力の一つは、新築より価格を抑えられる可能性があることです。

でも、

安ければ安いほど良い

とは思いません。

例えば300万円安い住宅でも、

購入直後に200万円の修繕が必要なら話は変わります。

反対に多少高くても、

  • 立地が良い
  • 適切にメンテナンスされている
  • 将来売りやすい
  • 大きな修繕が当面必要なさそう

なら、長期的には納得できる買い物になる可能性があります。

家は「価格」だけで比較しにくい商品です。

だから私は、

購入価格ではなく、「住んでいる期間全体でいくらかかるか」を考える。

という視点を持っておきたいと思っています。


まとめ|中古住宅は「築年数」だけで選ばない

「中古住宅は築何年までなら買って大丈夫?」

という質問に、私は、

「築○年までなら大丈夫」とは言い切れない

と考えています。

見るべきなのは、

① 建物の状態・修繕履歴
② 耐震性
③ 土地・立地
④ これから必要になる修繕費
⑤ 将来売る・貸すという選択肢

です。

築年数は重要な情報です。

でも、それは家を判断する材料の一つにすぎません。

そして子育て家庭なら、

今住みやすいか。
無理なく維持できるか。
将来も選択肢を持てるか。

まで考えて家を選びたい。

家を買う。
子どもを育てる。
資産をつくる。

その3つを切り離さずに考えていきたいと思います。

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