教育費は貯金とNISAどっち?使う時期で分ける3児家庭のお金の準備

資産形成

子どもの教育費を準備しようと思ったとき、

「貯金だけでは増えないから、NISAを使ったほうがいい?」
「教育費を投資して、必要なときに減っていたら困る」
「結局、貯金とNISAのどちらが正解なの?」

と迷う方は多いのではないでしょうか。

わが家も3人の子どもを育てながら、住宅ローンを返し、教育費と将来の資産形成を同時に考えています。

先に結論をお伝えすると、教育費は「貯金かNISAか」の二択ではありません。

使う時期が近いお金は貯金、使うまで時間があるお金はNISAも選択肢として、役割を分けるのが基本です。

この記事では、最新のNISA制度と文部科学省の教育費データを確認しながら、教育費を貯金とNISAにどう振り分ければよいのか、3児家庭の視点から考えていきます。

※この記事は特定の金融商品を推奨するものではありません。投資には元本割れの可能性があります。家庭の収入、資産、子どもの年齢、進路などに合わせてご判断ください。

教育費は貯金とNISAのどちらがいい?

教育費を準備する方法には、それぞれ次のような特徴があります。

比較項目貯金NISAを使った投資
元本の安定性預金保険制度の範囲内では高い元本割れの可能性がある
お金の増え方大きく増えにくい運用次第で増える可能性がある
必要なときの金額比較的予測しやすい売却時の相場で変わる
向いている期間数年以内に使うお金長期間使わないお金
主な役割入学金など確実に必要なお金将来の教育費・資産形成

貯金は、必要な時期に必要な金額を用意しやすい方法です。

一方、NISAを利用した投資には、長期運用によって資産が増える可能性がありますが、進学する年に相場が下落している可能性もあります。

そのため、大切なのは「どちらが得か」ではありません。

そのお金をいつ使う予定なのかを基準に考える必要があります。

教育費はいくらかかる?

文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、保護者が支出した子ども1人当たりの年間学習費は、次のようになっています。

学校公立・年間私立・年間
幼稚園約18万5,000円約34万7,000円
小学校約36万7,000円約174万2,000円
中学校約54万2,000円約156万円
高校(全日制)約59万7,000円約117万9,000円

ここでいう学習費には、授業料などの学校教育費だけでなく、給食費、学習塾、習い事などの学校外活動費も含まれています。

幼稚園3歳から高校3年生までの15年間にかかる学習費の合計は、おおよそ次のとおりです。

  • 全て公立:約614万円
  • 幼稚園のみ私立:約665万円
  • 幼稚園と高校が私立:約838万円
  • 全て私立:約1,969万円

出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査結果のポイント(2026年1月16日訂正版)」

さらに、大学へ進学する場合は大学の費用も必要です。

文部科学省の令和7年度調査では、私立大学学部の初年度学生納付金等の平均は約150万8,000円でした。内訳は、授業料約96万8,000円、入学料約24万円、施設設備費約17万3,000円などです。

出典:文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果」

ただし、これは初年度に大学へ納める費用の平均です。

自宅外通学になれば、家賃、生活費、引っ越し費用、仕送りなども発生します。受験料や受験時の交通費、入学前に必要なパソコン代なども別に考えておかなければなりません。

「大学費用としていくら必要か」は、国公立か私立かだけでなく、自宅から通うかどうかによっても大きく変わります。

2026年時点のNISA制度を確認

NISAは、投資によって得た売却益や配当・分配金が非課税になる制度です。

2024年から始まった現在のNISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があります。

項目つみたて投資枠成長投資枠
年間投資枠120万円240万円
年間合計最大360万円
非課税保有期間無期限無期限
非課税保有限度額2つの枠を合わせて1,800万円うち成長投資枠は1,200万円まで
対象年齢18歳以上18歳以上

NISA口座で保有している商品を売却した場合、売却商品の取得金額分の非課税保有限度額は翌年以降に再利用できます。

ただし、NISAは「お金が必ず増える制度」ではありません。

NISAはあくまで、投資による利益に税金がかからなくなる制度です。投資信託や株式の価格が下がれば、NISA口座であっても元本割れします。

また、現在のNISA口座を開設できるのは、その年の1月1日時点で18歳以上の人です。未成年の子どもの教育費をNISAで準備する場合は、基本的に親名義のNISA口座を使うことになります。

出典:金融庁「NISAを知る」

教育費は使う時期で3つに分ける

教育費を貯金とNISAに分けるときは、子どもごとに口座を完全に分けることよりも、まず「いつ使うお金なのか」を整理するのがおすすめです。

目安として、次の3つに分けて考えます。

5年以内に使うお金は貯金を基本にする

5年以内に使うことが決まっている教育費は、基本的に貯金で確保しておくほうが安心です。

例えば、次のようなお金です。

  • 高校や大学の受験料
  • 入学金
  • 入学初年度の授業料
  • 制服や教材の購入費
  • 通学用品やパソコンの購入費
  • 引っ越し費用
  • 受験時の交通費や宿泊費

投資は、必要な時期に値下がりしている可能性があります。

入学金の支払期限は、相場が回復するまで待ってくれません。期限と金額がある程度決まっているお金は、増やすことよりも「確実に使える状態」を優先したいところです。

5~10年後に使うお金は貯金とNISAを併用する

使うまで5~10年程度ある場合は、貯金とNISAを組み合わせる方法が考えられます。

ただし、「10年あれば必ず増える」という意味ではありません。投資期間が長くなっても、元本割れの可能性は残ります。

例えば、大学進学まで8年あるなら、入学金と初年度納付金に相当する金額は貯金で準備し、それ以降に使う予定のお金の一部をNISAで積み立てる方法があります。

どのくらい投資に回すかは、家庭によって異なります。

  • 家計の現金に余裕があるか
  • 住宅ローンや車の買い替え予定があるか
  • 子どもが私立へ進学する可能性があるか
  • 相場が下がっても教育費を別の収入や貯金で補えるか
  • 予定より早く教育費が必要になる可能性があるか

このような条件を確認して、投資割合を決める必要があります。

10年以上先のお金はNISAも有力な選択肢

子どもがまだ小さく、大学進学まで10年以上ある場合は、NISAを利用した長期・積立・分散投資も選択肢になります。

長期間積み立てることで、購入時期を分散しながら資産形成を進められます。

ただし、教育費の全額をNISAに入れる必要はありません。

子どもの成長に伴って、塾、習い事、部活動、私立進学など、想定していなかった支出が発生することもあります。

生活防衛資金や数年以内に必要なお金を貯金で確保したうえで、当面使わないお金をNISAに回す順番が大切です。

貯金とNISAの分け方に絶対的な正解はない

教育費をどのくらい貯金し、どのくらいNISAに回すべきかについて、全家庭に共通する割合はありません。

例えば、同じ「大学進学まで10年」の家庭でも、次の条件によって判断が変わります。

  • 子どもが1人か3人か
  • 住宅ローンの返済額
  • 手元の現金
  • 毎月の黒字額
  • 親の年齢
  • 進学先の希望
  • 自宅通学の可否
  • 奨学金を利用する考えがあるか

現金が十分にあり、家計に余裕がある家庭なら、教育費の一部をNISAで運用しやすくなります。

一方、手元の現金が少なく、住宅ローンや車の支出が大きい家庭では、まず貯金を厚くするほうが現実的です。

NISAの利用枠が余っているからといって、無理に教育費を投資に回す必要はありません。

NISAの枠を使い切ることより、必要なときに教育費を支払えることのほうが大切です。

3児家庭は「教育費が重なる時期」を先に確認する

出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査結果のポイント(2026年1月16日訂正版)」をもとに作成

子どもが3人いる家庭では、教育費を1人ずつ考えるだけでは不十分です。

大切なのは、3人分の教育費が同時にいくら必要になるかです。

例えば、

  • 第1子が大学
  • 第2子が高校
  • 第3子が中学校

という時期が重なる可能性があります。

第1子の教育費は準備できていても、そのときに第2子の受験費用や第3子の塾代が重なると、家計から出ていく金額は大きくなります。

わが家のような3児家庭では、次の順番で整理すると分かりやすくなります。

  1. 子ども3人の年齢を横に並べる
  2. 高校・大学に進学する年を書き出す
  3. 教育費が重なる年を確認する
  4. その年までに貯金で確保する金額を決める
  5. さらに先のお金をNISAで積み立てる

子ども3人家庭の貯金については、こちらの記事でも詳しく整理しています。

3人の子どもがいる家庭はいくら貯金すべき?教育費・住宅ローン・NISAをまとめて考えてみた

教育費をNISAで準備するときの5つの注意点

1.進学直前まで全額を投資したままにしない

教育費を使う時期が近づいてきたら、必要な分を少しずつ現金へ移すことも検討します。

大学入学の直前に全額を一度に売却しようとすると、その年の相場に大きく左右されます。

例えば、大学進学の3~5年前から必要額と運用状況を確認し、入学金や初年度納付金など、使うことがほぼ決まっている分を段階的に現金化する方法があります。

2.「増えている前提」で進学計画を立てない

年利3%や5%などのシミュレーションは、将来の結果を保証するものではありません。

教育費の計画を立てるときは、「運用で増えなかった場合でも進学費用を支払えるか」を確認しておくことが大切です。

3.生活防衛資金を先に確保する

教育費のためにNISAを積み立てていても、病気、失業、家の修繕、車の故障などで現金が必要になることがあります。

手元の現金が少ないまま投資額を増やすと、相場が下がっているときに資産を売却しなければならないかもしれません。

NISAを始める前に、日常生活や緊急時に必要な現金を別に確保しておきましょう。

4.住宅ローンと教育費を別々に考えない

子どもの大学進学時期に住宅ローンの返済額が大きいままだと、教育費の支払いと重なります。

住宅を購入するときは、現在返せる金額だけでなく、将来の教育費が増えたときにも返せる金額かを考える必要があります。

住宅ローンの予算については、こちらの記事で詳しく解説しています。

住宅ローンはいくらまでなら無理なく返せる?年収だけで決めない5つの考え方

5.老後資金まで教育費に使い切らない

親は教育費を優先したくなりますが、老後資金まで全て使ってしまうと、将来子どもに経済的な負担をかける可能性があります。

NISA口座の資産に「教育費」「老後資金」という制度上の区分はありません。

そのため、自分たちの中で、

  • ここまでは教育費
  • ここからは老後資金
  • この金額は使わずに残す

という目安を決めておくことが大切です。

わが家なら教育費をこう分けて考える

わが家の場合も、教育費を全て貯金にする、または全てNISAにするとは考えていません。

まずは、次のように役割を分けます。

貯金で準備するお金

  • 生活防衛資金
  • 数年以内の学校費用
  • 受験料や入学金
  • 初年度に必要となる費用
  • 家の修繕や車など、教育費以外の近い支出

NISAも選択肢にするお金

  • 10年以上先に使う可能性が高い教育費
  • 相場が下がっても、すぐに売らずに待てるお金
  • 教育費に使わなければ老後資金へ回せるお金

教育費として使わなかった場合に、そのまま老後資金として運用を続けられることは、親名義のNISAを使うメリットの一つです。

一方で、教育費として必ず必要になる金額まで投資するのは避けたいと考えています。

大切なのは、最も資産が増えそうな方法を選ぶことではありません。

子どもの進路を選ぶ時期に、家計が相場に振り回されない状態をつくることです。

まず家庭で確認したい5つのこと

貯金とNISAの割合を決める前に、次の5つを書き出してみてください。

  1. 子どもが高校・大学へ進学するまであと何年か
  2. 私立進学や自宅外通学をどこまで想定するか
  3. 進学前に貯金で確保したい金額はいくらか
  4. 教育費が3人分重なるのはいつか
  5. 住宅ローンや車など、同じ時期に大きな支出がないか

ここまで整理すると、「貯金かNISAか」ではなく、「どのお金を貯金し、どのお金なら投資に回せるか」が見えてきます。

最初から完璧な金額を決める必要はありません。

年に1回、子どもの進路、家計の状況、NISAの運用状況を確認し、積立額や現金の割合を見直す方法でも十分です。

まとめ|教育費は使う時期に合わせて貯金とNISAを使い分ける

教育費は、貯金とNISAのどちらか一方だけで準備する必要はありません。

基本的な考え方は、次のとおりです。

  • 5年以内に使うお金は貯金を基本にする
  • 5~10年後のお金は貯金とNISAの併用を検討する
  • 10年以上先のお金はNISAも選択肢になる
  • 入学金など必ず必要なお金は現金で確保する
  • 教育費が重なる年を子ども全員分で確認する
  • 進学が近づいたら必要額を段階的に現金へ移す
  • 生活防衛資金や老後資金まで教育費に回し切らない

NISAには、教育費を長期的に準備するうえで活用できる面があります。

しかし、NISAを使えば教育費の問題が全て解決するわけではありません。

貯金には「必要なときに使える安心」があり、NISAには「長い時間を使って育てられる可能性」があります。

どちらが優れているかではなく、それぞれの役割を分けることが大切です。

わが家も3人の子どもの現在の暮らしを大切にしながら、住宅ローン、教育費、資産形成のバランスをこれからも考えていきます。

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