水上オートバイ(水上バイク・ジェットスキー)の豪快かつ颯爽と走る姿って、とてもカッコよくて憧れますよね。実際に水上を操縦してみると、それは爽快ですし、海や湖をより一層エンジョイすることができます。
本記事では、水上オートバイ免許(特殊小型船舶操縦免許)実技試験の内容やポイントについて、免許保有者の筆者が、わかりやすく解説します。

実技試験の概要
- 陸上:点検・ロープワーク(80点)
- 水上:操縦実技(220点)
合計300点が満点で、合格ラインは210点以上(70%以上)です。
水上オートバイ免許(特殊小型船舶操縦免許)は国家資格ですので、甘く採点してくれるということは一切ありませんが、合格率は、およそ90~95%程ですし、余程のことがない限り不合格にはなりません。
それでは、内容を少し掘り下げていきましょう。
陸上①:発航前の点検
点検では、陸上で水上オートバイの異常の有無を確認します。
下記3科目(全25項目)の中から2項目がランダムに出題されます。そのため、事前に3科目すべての点検方法と名称を習得し実演できるようにしておきましょう。
エンジンの点検 全11項目
ビルジの確認、燃料油量の確認、燃料タンクキャップの確認、燃料コックの確認、他水分離器の確認、エンジンオイルの確認、他5項目
法廷備品及び書類の点検 全6項目
ライフジャケットの確認、笛(音響信号器具)の確認、信号紅炎の確認、係留ロープ、船舶検査証書の確認、船舶検査手帳の確認
艇体の点検 全8項目
ハルの確認、シート・ハッチの確認、ハンドルバーの確認、スロットルの確認、シフトの確認、ジェットインテークの確認、ジェットノズルの確認、ドレンプラグの確認
「グゥゥゥ…点検項目多すぎやろがい!無理だぁ!」と頭を抱えてしまった方もいらっしゃるのでは? 筆者はまさにこの状態でした。ところがどっこい、テキスト学習と講習を真面目にこなすと、あら不思議、一連の点検項目が脳みそに叩き込まれているではないですか。名称さえ覚えてしまえば、こっちのもんです。
陸上②:ロープワーク
試験では、試験官から指定された結び方を実演します。
以下が実技試験で出題される代表的な「結び方」で、1種類がランダムに出題されます。
- もやい結び
- 逆もやい結び
- 巻結び(手すり)
- 巻結び(ビット)
- クリート留め
- 一重(ひとえ)つなぎ
ロープワークは、テキストの図解だと手の動かし方などがイメージしづらいので、動画コンテンツが非常にわかりやすいです。ロープワークの動画がUPされている教習所のホームページもあるので、活用することをオススメします。
水上:操縦実技
実際に水上オートバイを操縦し、慣熟(かんじゅく)走行、直進、単旋回、危険回避、8の字旋回、スラローム、人命救助などの試験が行われます。
要所での安全確認を含め、上記の基本的な操縦ができているかを見極められます。尚、試験時間は、たったの20分です。
たまに「人命救助で失敗した」という話を聞きますが、成功のコツとしては、救助者と見立てたブイを左右どちらから取るかについて、予め決めておくこと。そして、ブイに多少当たってもいいので、近寄ること。この2点だけで、成功率がグッと上がります。激しく接触すると救助失敗とみなされますが、兎にも角にも近寄って引き上げることを最優先としてください。実際、救助者が目の前にいたら、たとえ多少接触しても引き上げることの方が重要ですからね!
独学でも合格できる?
学科試験は、内容の9割以上が過去問中心なので、教習所に通わなくとも[テキスト×過去問]だけで、国家試験をクリアできる可能性があります。しかし、こと実技となると、操縦経験がない場合、ぶっつけ本番での合格は極めて難しいでしょう。なので、せめて実技だけでも教習所で講習を受けるのべきです。また、コストを抑えたい方は、学科は独学orオンライン受講、実技は教習所という手もアリですね。とは言え、最も無難な選択は、認定教習所で国家試験免除コースを受講・修了する方法です。
まとめ(ポイント)
点を確実に稼げるのは、陸上の点検とロープワークです。覚えたことを焦らず実演すれば、すんなり点を取れます。一方、水上では、波や風、そして緊張も加わり、「思ったように操縦できない」なんてことも十分にあり得ます。故に、陸上でいかに点を稼ぐかがポイントとなるわけです。水上の実技試験の緊張やプレッシャーを軽減するためにも、陸上科目はしっかり覚えておくといいです。
水上科目は、パーフェクトを目指すとガチガチに緊張するし、失敗したときの動揺も大きくなるので、「70%以上でOK」というスタンスでリラックスして試験に臨みましょう。集中して講習を受けていれば、多少のミスはあれど、大抵の場合は合格できます。
筆者は、バイク免許も保有していますが、操縦自体はバイクより圧倒的に楽ちんです。水上オートバイには、ブレーキもギアチェンジもないため、必要なのはハンドルワークとスロットルワークだけです。ですから、操作方法に関して苦戦することは余りないでしょう。コースを覚えて、講習でやったことを70%以上出せれば合格です。
前記事にも書いていますが、学科試験の運行(特に点検とロープワーク)部分を念入りに学習しておくと、陸上科目が驚くほど簡単に感じます。ですので、学科について手を抜かずに学習することが、実技試験合格への近道にもなるのです。
毎年夏になると、水上オートバイが絡む事故やマナー違反がニュースになります。車同様、違反には罰則がありますので、ルールを遵守して安全かつ快適にマリンアクティビティを満喫できるといいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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