こんにちは、赤浦コウです。
本記事では、日商簿記3級の基礎的な内容を項目毎に解説しています。
今回は「商品有高帳の記帳方法」についてです。
商品有高帳の記帳方法は、先入先出法と移動平均法の2つを学びますが、どちらも仕組みはとても簡単です。
「商品有高帳」とは
商品の在庫管理は商品の数量とともに、その単価も管理する必要があります。なぜなら、仕入にかかるコスト(単価)は一定とは限らないからです。この単価計算は、商品有高帳と呼ばれる補助簿によって行われます。
商品有高帳は、「今現在ある在庫」を商品の種類別に記録する帳簿のことで、「入出庫の日付」、「入出庫した数量・単価」、「商品ごとの有高(残高)」などを記入していきます。
仕入れも売り上げも、仕訳と同時に総勘定元帳に転記されますが、それだけでは商品の残高はわからないため、商品有高帳(補助簿)で管理を行います。また、払出欄の合計は、その月の売上原価の金額と一致します。
「商品有高帳」の記帳方法
商品有高帳の基本的な記帳方法では、仕入れなどで商品が増えた場合は、「受入欄」に数量・単価・金額を記入し、売り上げなどで商品が減った場合は、「払出欄」に数量・単価・金額を記入します。
尚、簿記3級においては、先入先出法と移動平均法の2つを学びますが、どちらも仕組みはとても簡単です。
「先入先出法」の記帳方法
先に仕入れた商品から先に出荷していくとする方法を先入先出法といいます。古い商品から順に払い出していくと仮定する方法で、残高は常に最新の商品の単価となります。
(先入先出法は、スーパーやコンビニの棚のように、賞味期限の短い品物が手前にあって、先に仕入れたものから売られるという考え方です。)
■月中の記帳
先入先出法の場合、「払出欄」と「残高欄」には単価の異なる商品について、行を分けて記入します。したがって、残高欄が複数行になりますので、カッコでくくります。
■月末の記帳
商品有高帳は月次で繰り越す場合が多く、月末に締め切りを行います。商品有高帳の締め切りは次の順に行います。
- 摘要欄に「次月繰越」と記入し、商品の残高を払出欄に記入。
- 下の行に受入欄と払出欄の合計を記入。この時、単価は記入しない。数量と金額の合計が受入欄と払出欄で一致していることを確認。
- 下の行の摘要欄に「前月繰越」と記入し、前月の残高を受入欄と残高欄に記入。

「移動平均法」の記帳方法
商品を仕入れた際、在庫の平均単価を計算する方法を移動平均法といいます。残高は、「仕入平均単価×在庫数」で計算できます。
(移動平均法は、ガソリンスタンドのタンクのように、残っているものに後から継ぎ足しをして、今の在庫と新しく仕入れたものをごちゃまぜにしようという考え方です。)
■月中の記帳
移動平均法では、商品受け入れの度に平均単価を計算する関係で、残高の単価は1つです。したがって残高欄も必ず一行となります。
■月末の記帳
移動平均での月末の締め切りは、先入先出法と全く同じです。

計算方法により残高が異なる
上記の通り、同じ取引内容でも先入先出法と移動平均法で残高は異なります。
ある時点での残高は計算方法により異なりますが、どちらの方法も、全部在庫を売り切ってしまえば全期間トータルで見ると同じ利益になります。

また、商品有高帳の記帳と合わせて、「売上高」「売上原価」「売上総利益」を求める問題が出題されるケースもあります。その場合は、次の要領で回答してください。
- 「売上高」 = 売上数 × 売上帳の単価(売価)
- 「売上原価」 = 商品有高帳の払出欄の合計
- 「売上総利益」 = 「売上高」 - 「売上原価」
まとめ
「商品有高帳」の記帳は、簿記3級の試験ではよく出題されます。仕組みさえ押さえてしまえば、とても簡単ですので、点数を稼ぎやすい問題と言えます。単純な記帳ミス・計算ミスを減らして確実に点数を稼ぎましょう。
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